女子プロテニスの最新世界ランキングが28日発表され、大坂なおみ選手がずっと念願に掲げていた1位の座につきました。
4大大会を初優勝から2連覇し「大坂時代」「ナオミスラム」とも評される新女王の誕生です。ここ1、2年で急速に強くなった大坂選手。その要因の一つは〝肉体改造〟にあるともいわれます。大坂なおみ選手の肉体改造の方法とはどんなものなのか、などをまとめました。
大坂なおみの肉体改造でシルエットが変わった!
2019年のテニスシーズン幕開けを告げる最初のツアー大会、ブリスベン国際。年明け間もない公の場に、久しぶりに姿を現した大坂なおみ選手を見て、報道陣は驚いたといいます。以前より肩の筋肉などは盛り上がる一方、全体的にはシャープに引き締まっていたからです。
数年前まで、大坂選手はパワーを高めようとするあまり体が大きくなりすぎ、オフには「ぽっちゃり」体型になってしまうこともよくありました。
これが素早いフットワークの妨げにもなり、大坂選手の課題の一つに。17年シーズンオフに、新たにフィジカルトレーニング担当コーチとして「チームなおみ」に加わったアブドゥル・シラー氏は「彼女の動きは鈍かった。瞬発力、俊敏性、持久力が必要だった」と、一目で問題点を見抜きました。
それまでセリーナ・ウィリアムズ選手のコーチだったシラー氏。すぐに大坂なおみ選手に厳しいトレーニングメニューと食事制限を課します。シーズン終了後には7kg減量に成功。2018年の全米OP優勝などの飛躍につなげます。
さらに18年のオフ。チームなおみはさらなるシェイプアップに取り組みます。研究してくるライバルを負かすには一段の成長が必要だと、大坂選手はさらに3kg減量に成功。シラー氏とともに大坂選手を指導するサーシャ・バイン・コーチも「求めたことを全てやってくれた。素晴らしい体を持ち、彼女は自信を持っている」とその努力をたたえました。
大坂なおみの肉体改造の方法は?
大坂なおみ選手の肉体改造の方法は、基本的には、私たち一般人のダイエットと変わらないようです。第一に「糖質を制限し、スイーツを食べない」ことを励行。オフに、各分野の専門家が集まった「チームなおみ」で練習を再開後は、最初の1週間はラケットも持たず、ただひたすら走り込んだとのことです。
陸上トラックで淡々と走ったり、重たい物を引いたり。単調で過酷なメニューの連続ですが、大坂選手は音を上げませんでした。「時々、チラっとこちらを見てくるので僕が笑うと、彼女も笑う。自分は潜在能力を引き出すだけ。実行するかどうかは自分次第」とシラーコーチ。「もっと強くなりたい」という熱意が彼女の気持ちを支えたのでしょう。
こうした走り込みを基本としながらも、筋肉量を増やすための「ボクササイズ」や器具を使った練習など、フィットネストレーニングも一日数時間続けたようです。
減量には食事も重要。大坂なおみ選手の食事は母の環(たまき)さんが主にケアしたようで、3食ほぼすべて日本食だったともいわれます。大坂選手は高タンパク低脂質の肉や鮭などの魚、豆類などを好んで採ったそうです。
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大坂なおみの見た目の変化に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
昨年全米OPを制して以降、大坂選手は「来季、自分は長い試合が増えるはず」と予想したそうです。強打を生かして短い時間でポイントを取るのが大坂選手の持ち味。それを封じるため相手がストローク戦を仕掛けてくるのは明白で、対抗するには足腰の強さと俊敏性が必要でした。
それを見事に実践した全豪OP。対戦したある選手は「いろいろかき回したけど、彼女はよく動けていた」と白旗を上げていました。それでもシラーコーチは「フェデラーのような熟練とスムーズさ、ジョコビッチのような安定性とコントロール、ナダルのような攻撃性を一緒にする。それが僕のビジョンだ」と貪欲です。それが成就した暁には間違いなく「大坂時代」がテニス史に刻まれることでしょう。
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