4年に一度のラグビーW杯日本大会まであと10日あまり。名誉ある「桜のジャージ」に身を包んだ31人の日本代表の、世界に挑む戦いが始まります。
その31人の中に、ちょっと異色な経歴の「スーパーラガーマン」がいます。WTB(ウイング・スリークォーターバック)の福岡堅樹選手です。日本代表の主力であると同時に、福岡選手は「医者」「50m」というキーワードが切り離せません。魅力的な福岡選手の横顔を探りました。
ラグビー日本代表に医者がいる
このほどジョセフ・ヘッドコーチが発表した、W杯に臨む日本代表31人。出身国やチームなど出自は多様ながら、世界の強豪にも引けを取らない実力プレーヤーばかりです。
この31人の猛者の中に、まさかという職業の選手がいるといいます。それは「お医者さん」です。スタッフとしてのドクターではなく、れっきとした代表選手が「医者」とは、本当でしょうか。
正確な表現は「医者を目指している選手」。WTBの福岡選手がその人です。現在はトップリーグのパナソニック・ワイルドナイツに所属しています。
福岡選手は、今回のW杯と来年の東京五輪をプレーヤーとしてのひと区切りととらえ、その後は大学医学部に入学し医者になることを目指すと表明しています。
50mの驚異的タイムなど世界的にも抜群のスピードを誇る日本屈指のWTB・福岡選手が、華麗なラグビーキャリアを捨ててなぜ医学の道を志すのか、その経歴を振り返ってみましょう。
明日6/24(月)のTBS「NEWS23」で、高橋尚子さんとの対談が放送予定です。
良かったら見てください(^ ^) pic.twitter.com/27uH7WN6Dt— Kenki Fukuoka/福岡 堅樹 (@kenki11) June 23, 2019
福岡堅樹の経歴・50mの速さ
福岡堅樹選手は、福岡県生まれの27歳。5歳でラグビーを始め、地元の名門進学校・福岡高校に進むとラグビー部で花園の全国大会に出場。
ラグビーに打ち込む傍ら、開業医の祖父、歯科医の父を持つ福岡選手は幼い頃から医者を夢見ていました。大学受験では、ラグビーが強く医者も目指せる筑波大学医学部を志望しましたが、不合格に。1浪して再挑戦した前期試験でも合格できませんでした。
福岡選手が医者にこだわるのは、自身のケガを何度も手術で救ってもらい、医師を尊敬する気持ちや「トップレベルの選手の経験を治療に生かせれば」という〝パイオニア精神〟もあるといいます。
医学部進学に失敗した福岡選手でしたが、「ラグビーと医者」の2つの夢をあきらめず、同じ年の後期試験で筑波大情報学群に合格。まずラグビーを極める道を選びます。
福岡選手は日本が誇る「韋駄天」なのが強み。50m5.8秒というスピードは世界ラグビー界でも有数で、13年に日本代表に選ばれると、15年のW杯、16年のリオ五輪に出場。タックルの強さも光りサンウルブズでも活躍するなど、今や日本代表に欠かせない中軸選手となっています。
世界の一線でラグビーを究める現在の道を歩き終えた後は、福岡選手はあらためて大学医学部に入り、「第二の夢」の実現へ進む決意を固めているそうです。
日本代表ウィングの福岡堅樹選手@kenki11にラグビーを始めたきっかけ、日本代表デビュー戦の思い出についてお話を伺いました(1/2)✨ pic.twitter.com/8y5gSlD1Tc
— World Rugby JP (@WorldRugby_JP) 2019年6月18日
福岡堅樹に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
「日本の翼」で重要なトライゲッターでもある福岡選手ですが、南アとの壮行試合で右ふくらはぎに肉離れを起こす負傷。全治4週間とのことで、ロシアとのW杯開幕戦出場は絶望的となりました。
ただ関係者によれば「アイルランド戦はギリギリ、スコットランド戦は十分間に合う」とされ、何とか重要な試合には復帰できる模様です。
同じく負傷しているマフィ、姫野選手らもW杯には出場できる見通し。肉弾戦のラグビーにケガはつきものですが、深刻な重傷ではないようで、ファンは一安心といえそうです。