今年も早いもので、第96回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)まであと2か月ほどとなりました。
このほど、東京・立川市で行われたシード校以外の出場校を決める箱根駅伝予選会は、関係者やファンが大変驚く結果になりました。出場権を得た10校の中に何と国立の筑波大が入ったのです。
大学長距離レースの〝頂点〟ともいえる箱根駅伝は、国立大にとっては長年難攻不落の壁。100年近い箱根駅伝の歴史で、国立大の歴代出場回数はどのくらいあるのでしょうか。「筑波大ショック」の凄さを探りました。
箱根駅伝での国立大学の歴代出場回数
2020年のお正月に開催される第96回箱根駅伝には、20校+関東学生連合が出場します。前年の箱根駅伝で優勝した東海大、2位青学大など10位以内の10校は「シード校」として既に96回大会の出場権があります。
残る10校は、毎年秋に行われる箱根駅伝予選会の上位10校が権利を得ます。26日に行われた今年の予選会には43校(大学院含む)が参加。わずか10個の椅子をかけて熾烈なレースが繰り広げられました。
その結果、1位東京国際大、2位神奈川大、3位日体大、4位明治大、5位創価大、6位筑波大、7位日大、8位国士舘大、9位早大、10位中大の10校が晴れて出場権を獲得しました。
96回大会に出場する大学は19校が私立。筑波大は唯一の国立大です。では国立大のこれまでの箱根駅伝歴代出場回数はどのくらいなのか、調べてみました。
・筑波大 62回(全体9位)
・横浜国立大 11回(全体29位)
・東京学芸大 8回(全体30位)
・東京農工大 5回(全体33位)
・防衛大 2回(全体36位)
・埼玉大 1回(全体38位)
・東京大 1回(同上)
※このほか公立の横浜市立大が6回出場しています。
62回の筑波大は強豪私大並みに突出して多い回数ですが、ほぼ毎回出場してきた中大、早大、日大はじめ、60回以上出場の私大が10校以上あることを考えると、やはり国立大の出場は極めて少ないといえます。

箱根駅伝2019で筑波大学出場はどれほどすごいか
26日の予選会では、筑波大の順位発表の瞬間、会場から驚きの声が上がりました。その順位は早大などのシード常連校を抑えて堂々の6位。
予選会成績は前回が17位、前々回が19位、その前は10年以上も20位以下という低迷だっただけに、ノーマーク校が一気に「強豪」の仲間入りを果す〝大サプライズ〟でした。
今回の予選会出場43校中、国公立は10校弱ありますが、6位の筑波大のほかは、最高位が東大の32位などほとんどが40位前後の最下層。10位ははるか「雲の上」で、いかに箱根駅伝のハードルが高いかが分かります。
快挙の筑波大も、国立大の中での箱根駅伝歴代出場回数では断トツとはいえ、最後に出場したのは第70回大会(94年)。実に26年ぶりに「長いトンネル」を抜けた形で、選手、監督らの喜びもひとしおのようでした。
箱根駅伝2019筑波大学出場に関するネットの反応





出典:twitter
まとめ
筑波大の前身は「東京高等師範学校」。この略称「東京高師」卒業生でもある「日本初五輪選手・マラソンの父」の金栗四三らが発案したのが、箱根駅伝でした。
箱根駅伝創設の1920年当時、日本長距離界をリードする存在だった東京高師。第1回大会優勝校でもあり、筑波大にとってはこれが唯一の優勝経験になっています。
箱根経験があり、資生堂陸上部など指導歴も豊富なOB弘山勉氏を監督に招き、クラウドファンディングで合宿費などをまかなうなど地道な強化に取り組んできた筑波大。部全員の熱意が「令和」の新時代に悲願を引き寄せたといえそうです。

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