私達を魅了してやまないフィギュアスケートの美しさ。 しかし美しさを表現する選手は極めて厳しいトレーニングと節制とが求められています。
今年シニアに参加したばかりのロシアの新星・トゥルソワは多彩な4回転ジャンプを武器に活躍していますが、その体格を見るファンから、痩せすぎではないと心配の声も多いと聞きます。
トゥルソワ選手は痩せすぎなのか?考えてみたいと思います。
=目次=
トゥルソワ選手の現在の体格は?
トゥルソワ選手の身長は公表されていて155センチです。 体重は40キロぐらいと推測する向きが多いようです。
体重も十分軽いですが、トゥルソワは脚の筋肉が他のシニアの選手に劣らず発達しているので、上半身の細さが際立っています。 そのバランスが、痩せすぎではないのか?という心配の声につながっています。
スケート選手は痩せることを要求される
仮に、身長155センチ、体重60キロの女性のフィギュア選手が素晴らしい4回転ジャンプをしたとしても、リンクに立つことはできないでしょう。 観客からブーイングを受けるのが、悲しい現実です。
太ったスケート選手はあり得ないのです。 選手は、観客やコーチから、痩せることが強制されています。 特に有力なフィギュアスケート選手は10台前半から、大人から強制されるのですから、そのプレッシャーは並大抵ではありません。
プレッシャーに押しつぶされ、摂食障害になる子供が多いのが、『フィギュアの闇』と言われています。
トゥルソワ選手は痩せすぎか?
アスリートして、トゥルソワ選手が現在理想的な体格であるのは、誰もが認めるところです。
しかし、トゥルソワ選手のBMIは16.6ぐらいで、一般の女性と考えれば明らかに痩せすぎです。 純粋に健康のことを考えれば、あと12~13キログラムぐらい体重を増やすことが推奨されるでしょう。 後で他のアスリートの身長・体重との比較もします。
要は、いつまで無理を続けさせるかということです。 トゥルソワはまだ成長期にある少女です。 自然に過ごせば必ず体重は増え、ジャンプの能力は衰えます。
自分の体重増との戦いが終わった時、すなわちトゥルソワが現役を引退する時、心身ともにスムーズに健康体に戻れることが、一番大切なのことでは無いでしょうか。
参考までに、アスリートの身長・体重をいくつか見てましょう。
現役スポーツ選手の身長・体重
身長163センチ、体重46キロ (BMI=16.6)
身長165センチ、体重48キロ (BMI=17.6)
身長162センチ、体重43キロ(BMI=16.3)
身長166センチ、体重52キロ(BMI=18.8)
BMI指数だけで見ると、トゥルソワ選手は現役時代の高橋尚子選手と同じぐらいで、また他のフィギュアの選手と比べても同じぐらい体重を絞っている選手はいることが解ります。 世界レベルで戦う一流のアスリートはそれぐらい無理をしているということですね。
高橋選手、有森選手は現役引退後スムーズに一般の人の体格に移行し、新しいフィールドで活躍されているように見受けられます。 全てのスポーツ選手がそのようであって欲しいですね。
痩せすぎのトラブル
今まで多くの審美系のアスリートが年齢による体重増と戦ってきました。 その戦いの中で摂食障害をを煩ったり、極端な栄養不良で体を壊した人も多くいました。
体調に大きなトラブルを起こして苦労された方もいます。 摂食障害をカミングアウトして有名になったのは、
- 元フィギュアスケーター 鈴木明子
もっといいジャンプが飛びたいという意識が摂食障害のきっかけになり、一時は身長160センチ、体重が32キロまで落ちたことも(BMI=12.1:適正体重より25キロ軽い)。 ご家族の協力で克服されスケーターとして復帰、現在プロとして活躍されています。
- 元フィギュアスケーター ユリア・リプニツカサ
ソチ冬季五輪15歳にして金メダル。 しかし摂食障害により一昨年わずか19歳で現役引退。 現在フィギュアのコーチとして活動。
ジャンプは元々脚への衝撃が強いことに加え、食事制限によるエネルギー不足、栄養不足で疲労骨折を起こすことが多いのは周知のことです。 羽生結弦、村上大介、宮原知子、白岩優奈、アダム・リッポン、グレイシー・ゴールド・・・。 枚挙にいとまがありません。
ほとんどはまだ成長期にある選手にとって、体重増との折り合いをつけることがいかに難しい問題であるかが、うかがい知れますね。
トゥルソワ選手に対するネットの反応
まとめ
トゥルソワ選手が痩せすぎではないかと心配する声は多いですが、痩せているのはトゥルソワ選手に限らず、決して他のアスリートに比べて極端ではありませんでした。
しかし普通の女性としては痩せすぎであることは明らかです。 健康を害さずに現役生活を全うしてくれるとよいですね。