テニスの全豪OPはベスト16まで進みました。日本の錦織、大坂両選手も健闘して勝ち残っており、一層の進撃が期待されます。
さて20日の4回戦で注目されるのが、かつての女王マリア・シャラポワ選手の試合です。禁止薬物摂取の制裁で選手としての絶頂期に長く競技から離れ、復帰後の現在も怪我に悩むシャラポワ選手。その完全復活は年齢的にあり得るのでしょうか。過去の経緯や現在の強さをまとめました。
シャラポワの復活は年齢的にあり得るか?
シャラポワ選手はロシア生まれの現在31歳。10代でウィンブルドンを制し一気にトップ選手へ上り詰め、これまで4大大会は5回優勝。史上10人目の生涯グランドスラム達成者であり、その美貌で「テニス界の妖精」と呼ばれるなど、大変人気がある最高ランク世界1位の元女王です。
その順風満帆なキャリアが暗転したのが、3年前のまさに現在と同じ全豪OPでした。大会期間中の検査で、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が禁止薬物に指定したばかりのメルドニウムに陽性反応が発覚。シャラポワ選手は3月に記者会見し薬物摂取を認めました。
メルドニウムは米国や日本では販売されておらず、主に旧ソ連圏で使用される心臓病治療薬。シャラポワ選手は「家系的な疾患の治療」として10代の頃から服用。「禁止指定を知らず意図的ではない」と主張しましたが、同薬は疲労回復、持久力維持などの効果があるとされ、東欧の軍兵士やスポーツ選手には広く使われてきた実態があります。
過失は免れないとして、結果的にシャラポワ選手は16年1月から1年3か月間の出場停止処分に。ようやく17年4月に復帰しましたが、29~30歳という選手としてのピークを棒に振ることになりました。
ある調査によると、プロテニスのトップ100位の女子選手は平均年齢25歳。30歳以上は10数人いますが、トップ100の30歳以上が40人近くいる男子と比べると割合は少ないといえます。
とりわけ4大大会で優勝争いをするほどの30代の実力者は、今やセリーナ、ヴィーナスのウィリアムズ姉妹くらいといえるほど、30歳を超えると年齢的には厳しいのが実情です。
それでも「挑戦することが大好き」と意欲的な現在のシャラポワ選手。目下の全豪OP、そして今後のツアー主要大会の優勝など「完全復活」はあり得るのでしょうか。
シャラポワの現在の強さは?
出場停止中に30代の年齢を迎えてしまったシャラポワ選手。現在の世界ランクは30位です。年齢だけでなく、長年患ってきた右肩の痛みもまだ癒えていないといい、調子は万全とはいえません。
しかし18日の全豪3回戦は圧巻でした。相手は昨年の覇者ウォズニアッキ選手(デンマーク)。元世界ランク1位同士のぶつかり合いという熱戦で、シャラポワ選手は自らのミスによるポイントは相手の倍以上と多かったものの、トレードマークの叫び声を響かせながら持ち前の強打を連発しました。
全盛期を彷彿とさせる力強いテニスでウォズニアッキ選手を押し切り、見事勝利。復活の兆しを印象づけました。「練習が報われた。まだ踏みとどまりたい」というシャラポワ選手、20日の4回戦では世界ランク15位のバーティ選手(豪)とベスト8をかけて対戦します。
シャラポワの現在は?ネットの評価・反応
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190118-00010004-tennisnet-spo
まとめ
モデルとしても活躍する才色兼備なシャラポワ選手の、まさかのつまづき。折しもロシアの組織ぐるみドーピングが国際的に糾弾されている頃で、薬物が禁止指定直後だったこともあり、当初ロシア側には「我が国の有名選手を狙い撃ちした陰謀だ」との不満も聞こえました。
ただ選手の間には「周囲の落ち度もある」といった同情の声はあまりなく、BIG4のマリー選手などは「合法であれ不必要な薬を飲むこと自体間違っている」と厳しく非難。プロの勝敗は死活問題であり、公平性の点で批判を浴び続けるのは仕方ないかもしれません。再出発したシャラポワ選手は「結果」で汚名をそそぐしかないでしょう。
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