中国の中距離水泳選手ソンヨウ・孫楊が昨年、金づちで容器を破壊して、ドーピング検査妨害したと報じられました。
なぜそんなことをしたのでしょう?
その理由と、海外の反応を見て行きましょう。
ソンヨウ(水泳)がドーピング検査妨害した理由
ソンヨウ・孫楊(水泳)がドーピング検査妨害した理由を見て行きます。
豪紙デーリー・テレグラフの報道によれば、
2018年9月4日の夜に、孫楊に対し浙江省の彼の別荘で行われた抜き打ちのドーピング検査の際に、採取された血液サンプルを警備員と一緒に壊したということです。
検査官は補助員2人を伴って孫楊の別荘を訪れ、血液と尿のサンプルを回収しようとしていました。
FINAはこの件で孫楊に違反はなかったとの判断を下し、今週開幕する世界水泳選手権の出場を許可しています。
しかし、世界反ドーピング機関(WADA)もスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行っており、場合により、永久追放の判断が出る可能性もあります。
<孫楊らが主張する検査妨害した理由とは>
・補助員の資格に疑問を抱いた。
・検査官(女性)は、中国の医療法に基づいた血液採取の資格を持つ人間ではなかった。
としています。
但し、報告書には、「母親が検査の行われた部屋に金づちを持ってくるよう警備員に言った」、孫と代表のチームドクターが「採取された血液サンプルの完全性を損ねるため、採血管を入れた容器を壊してしまおうと話した」といった内容が記されており、普通に考えるとドーピング陽性反応が出るのを恐れたためではないかと思われます。
ソンヨウ(水泳)の経歴・成績
1991年12月1日生まれの27歳で、中長距離を得意とする198cmと長身の中国の水泳選手。
オリンピック、世界水泳で金メダルだけでも10個獲得しています。
メダル | 大会 | 種目 |
---|---|---|
金 | 2011世界水泳 上海 | 男子 800m自由形 |
金 | 2011世界水泳 上海 | 男子 1500m自由形 |
金 | 2012 五輪 ロンドン | 男子 400m自由形 |
金 | 2012五輪 ロンドン | 男子 1500m自由形 |
金 | 2013世界水泳 バルセロナ | 男子 400m自由形 |
金 | 2013 世界水泳バルセロナ | 男子 800m自由形 |
金 | 2013 世界水泳バルセロナ | 男子 1500m自由形 |
金 | 2015 世界水泳カザン | 男子 400m自由形 |
金 | 2015世界水泳 カザン | 男子 800m自由形 |
金 | 2016五輪 リオデジャネイロ | 男子 200m自由形 |
しかし、同時にこれまで度々騒動を起こし、水泳界の問題児とみなされてきました。
<数々の騒動>
2013年1月、4月 女性との交際問題や商業活動、個人スポンサーの干渉などを巡り、コーチと公衆の面前で大げんかを繰り広げ、警察が駆けつける騒ぎになった。
2014年7月 ドーピング違反で3か月の出場停止処分を科された。
5月の中国国内で行われた大会後のドーピング検査で興奮剤「トリメタジジン(」に陽性反応を示したことによる。
「医療目的で使用した薬が世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに含まれているとは知らなかった」「動悸を抑えるため、やむを得なかった」などと言い訳した。
これにより、拠点としていたオーストラリアから追放された(12月) 。
2014年9月 アジア大会(仁川)
400mリレーで金メダルを取った際のインタビューで、「正直言って、日本の国歌は本当に耳障りですよ」と発言し問題に(後に謝罪)。
2015年8月 カザン世界水泳
1500mの決勝レースを夜に控えた孫楊がウオーミングアップ用のプールで泳いでいたところ、同じコースを泳いでいたブラジルの女子選手と水中で接触し、腹を立て頭や腕に“足蹴り”する騒動を起こす。
2016年8月 リオデジャネイロオリンピックでは、孫楊を「薬物違反者」と発言した豪選手に、中国水泳協会が謝罪を要求しました。
ソンヨウ(水泳)の検査妨害に関するネットの反応
<日本の反応>
追放しかないと思うけどな。
それを破壊するという事は、何かやましい事があると疑われても仕方がない。
追放すべきだ
出典:ヤフコメ
数々の日本との悪いかかわりもあり、日本では非常に評判が悪い選手です。
では、中国では英雄なのでしょうか?
<中国の反応>
出典:微博(Weibo)
予想に反して中国でも悪評が高いようです。
リオ前年に事件を起こしたときには、寧沢涛と比較されて非難されていました。
まとめ
孫楊がドーピング検査妨害した理由と、これまでの数々の事件をまとめ、今回の事件に関する中国と日本の反応を見てみました。
国内外で水泳界の問題児の評判は本物のようです。
特に今回の報道メディアでもある豪州とは犬猿の仲です。
なんともひどい話ですが、彼が東京五輪に出場するどうかは、日本の中距離水泳界にも影響を与えます。
今後のWADAやCASの動向にも注意を払っておきたいと思います。
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