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山北町断水の自衛隊事件で神奈川県知事が炎上!真相を知って現地の人の声を聞いてみた

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首都圏を直撃した台風19号により、神奈川県最西部の山北町で断水が発生した。
災害救援に自衛隊の給水車3台が到着しましたが、神奈川県が「待った」をかけたため、引き上げました。
この対応神奈川県知事が炎上しています。
現地の声を聞きました。

山北町断水の自衛隊事件で神奈川県知事が炎上

山北町断水への自衛隊災害救援事件で、神奈川県の対応が炎上しました。

事件の経緯

10/12 AM 11:05 山北町全域に警戒レベル4で避難勧告発令される。「速やかに避難を開始してください」。
夜 台風直撃。暴風雨が襲う。
10/12 夜 町は陸上自衛隊の駒門駐屯地(静岡県御殿場市)に「翌日(13日)、給水車を要請するかもしれない」旨連絡した。
10/13 AM4:00 自衛隊から「県知事から防衛相に自衛隊の派遣要請をする必要があります。町は県に依頼してほしい。自衛隊としては、給水車3台を午前6時に出発させます」と連絡あり。
町の防災課は電話やFAXで県に派遣要請を求めたが、県はマニュアルを盾に難色を示した。
10/13 AM 7:00前 自衛隊給水車3台が町役場に到着。県に要請を求めたが、最後まで、首を縦に振らず。
     AM 8:00過ぎ ルール上、派遣要請が出ないと支援活動を始められないため、自衛隊は水を捨てて、引き上げた。
             PM 0:45 県が別途手配した給水車2台は渋滞等で遅れ、6時間後に到着した。

ちょっとひどすぎ!

自衛隊の災害派遣については、文民統制を守る観点や、市区町村でバラバラに求めて混乱するのを避けるため、都道府県知事が要請するルールとなっているのは確かです。

県のマニュアルによれば、自衛隊の派遣要請は、どうしようもなくなった時の最終手段だが、山北町の状況は該当しないという。
県の災害対策本部の担当者は「ルールが違う。自衛隊にはほかにどうしようもなくなってから頼むもので、まずは県や日本水道協会に支援を求めるべきだ」などと主張したという。
「県の方で給水車が用意できるので、そちらを優先して欲しい。なんらかの状況で山北町まで行けない場合は、自衛隊に要請するのもやむを得ないが、まだそういう段階ではない」

神奈川県の見解

10月16日になって、県の広報で、黒岩神奈川県は、以下のようにコメントしました。
「自衛隊の給水車が到着していた中で、柔軟に、給水をお願いするなどの対応ができず、速やかな給水ができませんでした。
速やかな給水ができなかったことは真摯に受け止めたいと思います。」と陳謝していますが、
「(県の判断について)自衛隊の災害派遣要請を判断する基準として、「緊急性」「非代替性」「公共性」の3つの原則があるが、今回のケースは、「非代替性」の条件(他に取りえる手段がない)を満たさないため、すでに準備を整えていた県企業庁の給水車を優先させる、との判断をしたものです。」とあくまで、県の判断は間違っていなかったと主張しています。

県から要請がない中で、自衛隊の給水車が町に到着したことになりますが、その事実を知った自衛隊から、撤退の指示が出されたと承知しています。

また、神奈川県災害対策課は、町からの派遣要請の求めは断っておらず、「お預かりの状態」だった。
「県にも給水車がある。日本水道協会にもお願いしたのかと町に確認し、まずは県や協会に要請しましょうと町には伝えた。それで足りなければ自衛隊に要請するのが手順。県としては自衛隊が町に到着していたことは知らなかった」(同課の担当者)
県には陸自の給水車が町に入ったとの情報が届いていたが、十分な確認をしなかったとも述べています。

「お預かり状態」とか、自衛隊が到着後に、町と県が押問答しているのに、「町に到着していたことは知らなかった」とか、「情報が届いていたが、十分な確認をしなかった」、「撤退は県の指示ではない」などは、見苦しい言い訳に過ぎないように思えます。

あんまり潔くないね!

現地の人の声は?

この件につき、山北町の現地の声を伺いました。

町が、災害を予想し、近くの自衛隊に早くから依頼し、準備していたのに、県がすべてをぶち壊した!
御殿場の自衛隊は、山北町から20kmと非常に近く、国道246号を使えば、30分で到着できる。横浜や県中央部から来るのは、渋滞がなくても1時間以上かかるのは分かっているはずだ
今も断水が続いている。近所で土砂災害もあった。県庁の都会人には、山にある町の被害状況など想像できないのでは!
神奈川県は県庁がある横浜など県東部中心で、いつも人口の少ない県西部は、置き去りにされる」
など、怒りが収まりません。

現地の防災メール{山北あんしんメール}の経過から、今回の町の状況を見てみましょう。
10/12 7:40 台風19号接近のため、町内全域に警戒レベル3 避難準備・高齢者等避難開始が発令される。
10/12 11:05 町内全域に警戒レベル4、避難勧告「速やかに避難を開始してください」。
10/13 6:08 町営水道が断水 丹沢6地区 旧丹沢湖ビジネスセンターで給水を行う。
10/13 7:05 警戒レベル4、避難勧告を解除。
10/13 13:38 水道設備の復旧に向け作業中。水道の利用を差し控えるよう。
10/13 20:11 台風19号の影響による水道施設の損傷のため、町内で多数の断水がはっせいしています。
配水池の水位確保のため、午後8時から午後10時まで対象3地域(町中半分以上)で断水させていただきます。
10/14 12:44 台風19号の影響により、山北の皆瀬川浄水場が壊れています。
水位確保のため、午後2時から4時まで断水させていただきます。
役場駐車場で、引き続き給水を実施しています。
10/14 17:30 台風19号の影響により、山北の皆瀬川浄水場が壊れており、現在のところ復旧の目途が立っていません。復旧の目途が立つまで、水位確保のため、計画断水を次の時間で実施します。
AM9:00~AM11:00
PM2:00~PM4:00
PM11:00~AM5:00
給水場所 役場駐車場 AM:9:00~PM5:00

以降本日(17日)に至るまで毎日同様の断水情報のメールが入っているとのことです(対象地区は山北町の広い範囲)。

浄水場が壊れて復旧の見込みがなく、少なくとも計画断水は当分続きそうです。

町内の被害状況 町内の特に北部で、土砂災害が起こっています。

http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/0000004480.html

山北町長のコメント

メディアに載った湯川裕司山北町長のコメントをまとめました。
「自衛隊とは日頃からおつきあいしており、すぐに支援に来てもらったのに、申し訳ないと謝りました。災害派遣要請の手順があることは分かるが、せっかく来てもらったので、住民に水を配ってもらえたら良かった。県には手順とかメンツがあったのかもしれませんが、もっと柔軟に対応して欲しかった
「前夜から断水が発生していて、“どうしようもない状況”でした。午前7時に給水車3台が来てくれて、目の前に水があるのに、なぜ捨てなければいけないのか。いろいろと手続きがあるのは承知していますが、ケース・バイ・ケースで対応できないものか。県民が困っているのですから」
「県には、町が余計なことをしたと見えたのでしょう」
「県には今後、県西部に柔軟な対応をしてもらいたい」

山北町は県の最西部にあり、県で3番目の広さで丹沢山系に囲まれた人口約1万人の町で、静岡県との境に位置し、水が豊かなことで知られています。

これまでも大雨に見舞われ町北部の丹沢湖方面で、土砂災害などで、道路が寸断されることはありましたが、南部の町中心部を含め、全面的に断水するようなことはなかったそうです。

このような事態を招いた原因は?

なぜこのような事態に至ったのでしょうか
被災者を第一に考えて行動をするという鉄則がなおざりにされているため、県の災害対策本部の判断がマニュアルに従う頑ななものとなった。
あるいは、県の防災担当部署はもっと重大で、人口の多い相模原市や横浜市での対応に追われていたのかもしれません。
・これまでの災害(阪神・淡路大震災など)で、自衛隊の出動要請に時間がかかり初動が遅れたとの批判があったため、最近は、自衛隊は正式な要請を待たずに準備を整え、都道府県もすみやかに要請するよう、改善が進んでいたが、神奈川県は、これまで、大きな災害に見舞われたことが少なく、緊急時の判断をマニュアルに頼った

山北町断水に関する自衛隊事件へのネットの反応

(救援活動が)できなかった自衛隊員の悔しさもさる事ながら、町民にしてみたら現場感覚のない行政にどう思ったのだろうか。
被災者を第一に考えて行動をすべきところを、公僕たる役人が保身を優先した対応してる。
非常時なんだから、多少手順が違っていても俺が責任を取るっていうぐらいのそれなりの立場の県職員はいないのかな?
これほどの災害なのだし、自衛隊は最終手段だから待てなんて言うのは平和ボケが過ぎる。危機管理意識を疑われても仕方ない。
神奈川県にとって 一番大事なのは メンツという事でしょうか
「問題がなかった」と言うのでは神奈川県庁の程度が知れるというものだ。
緊急時にもマニュアル通りに?「水」が欲しいのに
メンツやルールを優先させてせっかく早く届いた貴重な水を無駄にしてさらに住民を待たせる

出典:ヤフコメ
今回は典型的なお役所仕事という形で、炎上しましたが。似たようなことは災害地のあちこちで起こっているのかもしれません。

まとめ

山北町断水の自衛隊事件で神奈川県知事が炎上した真相、詳細をまとめ、現地の人の声を聞いてみました。

最近しばしば聞かれる「行政は被災者目線で、寄り添って」という言葉の現実がこんなものかとがっかりしました。

今回は典型的な事例で、どこもがこの状況ではないと思いますが、行政だけでなく、国民全体が本気で、ますます苛酷になる災害対応を考えねばならない時代に入ってきたように思えます。

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