サッカーの試合で、最近ロスタイムって聞きませんね?何故なんでしょう。
一方、アディッショナルタイムはよく聞きますが、意味に違いがあるのでしょうか?
アディッショナルタイムとロスタイムの意味
アディッショナルタイムとロスタイムの意味について見て行きましょう。
ロスタイムというと、「ドーハの悲劇」を思い出します。
1993年10月28日にドーハ(カタールの首都)で行われたワールドカップ・アジア地区最終予選の最終節の日本代表対イラク代表戦で、試合終了間際のロスタイムにイラク代表の同点ゴールが入り、FIFAワールドカップ初出場に近づいていた日本代表が一転して予選敗退する結末となったものでした。
ロスタイムという言葉が、ぐさりと胸に突き刺さった記憶があります。
サッカーの試合時間は前半45分、後半45分の原則90分ですが、交代や負傷者が出た際に、"失われた"(Loss)時間を、主審の判断で時計が止められる時間として、実際のプレー時間から差し引いて両チームに公平になるようにしたことから生まれたものでした。
つまり実際にプレーした時間を基準に"失われた時間"「ロスタイム」を引いてちょうど90分にするという考え方です。
でも、最近のサッカーの試合では、ロスタイムという言葉を聞きませんね。実は、ロスタイムと呼んでいたのは、2000年代までの日本だけで(しかも和製英語でした)、日本サッカー協会は、これをFIFA(国際サッカー連盟)が使っていた「アディショナルタイム」に変更することにしました。
「アディショナルタイム」は「Additional:加えられた」時間ですから、あくまでもキックオフから90分、そこに加えられる時間という考え方です。
違いはある?
以上の説明からおわかりのように、アディショナルタイムとロスタイムの内容は全く同じで、意味に違いはありません。
しかし、あえて違いはと言いますと、ロスがマイナスの響きがあるのに、アディショナルは、プラスのポジティブな響きを感じます。
どうもサッカーの世界では、用語は「なるべくポジティブな言葉を使おう」という流れがあるようです。
延長戦の間に一方のチームが得点した場合、試合を打ち切りその得点を入れたチームを勝者とする「サドンデス」(sudden death突然死)が「Vゴール」「ゴールデンゴール」と変遷していったのはその例です。
アディッショナルタイムに対する批判
「アディショナルタイム」は「主審」が決め、担当する試合において空費された時間を計測し、試合の前後半それぞれの規定試合時間の後に追加するものです。
選手の交代や負傷者の治療、審判によるカードの提示などの時間が対象となります。
主審の所持している「一切止めない時計」と「中断するごとに止める時計」の2つの時計を参考にして、主審がアディショナルタイムを決めています。
しかし、主審は試合中にやらなければならないことが非常に多く正確な時間は測れないことがしばしばあり、試合状況などに応じて時間を決めることもあるようです。
つまり、主審の裁量に左右されるため、疑問の事態がしばしば起きて批判されることがあります。
では、事例を見てみましょう。
「サッカー鹿島VS上海で「ふざけたロスタイム」論争(2018年4月4日)
第4審判によって表示されたアディショナルタイムが「4分」だったにもかかわらず、実際には「5分30秒」に達してようやく試合終了の笛が鳴らされ、マレーシア人主審に対する不満の声が挙がりました。
「清水エスパルス対ヴィッセル神戸の19分間ロスタイム事件」(2018年11月24日)
明治安田生命J1リーグ第33節、清水エスパルス対ヴィッセル神戸戦4分で終わるはずのアディショナルタイムが、主審のミスで、19分に。両チーム乱闘するなど大混乱に。
主審に大批判が沸き起こった事件。
清水エスパルス対ヴィッセル神戸事件へのネットの反応を見てみましょう。
アディッショナルタイムに関するネットの反応
今世紀最大のアディショナルタイム。ギネスに申請したら笑笑
見ている方もわけがわからなくてストレスを感じました。
審判の判断ミスでケガ人が出た清水。
で、審判には注意だけではやりきれない。
J審判団も反省総括していますので、誰が見てもおかしな判断だったのでしょう。
選手、ファンにとって、憤懣やるかたないですね。
まとめ
アディッショナルタイムとロスタイムが違いのないことを説明し、これまで起こった事件や批判についてまとめました。
一言で言って「アディショナルタイム」も「ロスタイム」も試合の勝敗を左右しますし、TOTOの結果も変わってきます。
「アディショナルタイム」を判断する主審次第で、選手の評価も選手の生活にも、TOTOにつぎ込んだ人の生活にも影響大になりかねません。
■関連記事