熱戦が続くテニスの全豪OP。21日は錦織、大坂両選手がベスト8をかけて戦います。男子シングルスでは、勝ち進めば準々決勝で錦織選手とまみえる「BIG4」ノバク・ジョコビッチ選手の試合にも注目です。
そのジョコビッチ選手、実は食事に大変こだわりがあることで有名です。「三食決まったメニュー」「食事中は話さない」などなど色んな〝掟〟があるといわれますが、これには大きな理由があります。私たち一般人にも関わりあるその理由や食事の中身とは?

ジョコビッチは食事中話さないというのは本当?
ジョコビッチ選手はセルビア生まれの31歳。弱冠20歳でセルビア人初のグランドスラム(全豪OP)優勝を果たし、これまで4大大会優勝14回を重ねる男子テニス界4人のスーパースターの一人です。
2008年のGS初優勝まで順調だったジョコビッチ選手ですが、突如そこから2年ほどスランプに陥ります。試合中息苦しくなったり倒れたり何かの重病さえ疑われるほど。それをテレビで見たセルビア人の栄養学博士が「食事が問題なのでは?」と考え、ジョコビッチ選手に助言します。
検査すると「グルテン不耐症」と判明。グルテンとは小麦や大麦などに含まれるタンパク質で、パンやパスタなどの柔らかさやもちもち感の元です。小麦粉を使用したあらゆる食品に含まれますが、近年このアレルギー症状が世界的に問題になっています。これがグルテン不耐症です。
グルテン不耐症では小麦製品を食べると疲労や下痢、頭痛などの不調が現れ、小腸に炎症を起こし栄養失調や肥満になったり、進行するとがんや認知症などにつながる恐れもあるそうです。
ジョコビッチ選手の実家はピザ屋で、小さい頃から大好きなピザやパンをたらふく食べていただけに、最初は非常に驚いたといいます。しかし一念発起して食事から一切の小麦製品を排除すると体調が激変。一日中頭は冴え活力に満ちあふれ、試合でも快進撃を続けられるようになったとのことです。
ではその「グルテンフリー(小麦製品ゼロ)」の食事とはどういうものなのでしょうか。「食事中なるべく話さない」などこだわりの中身をみてみましょう。
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ジョコビッチの食事に対する驚愕のストイックさ
ジョコビッチ選手は自身の体験を本にまとめ、日本でも「ジョコビッチの生まれ変わる食事〜あなたの人生を激変させる14日間プログラム」(三五館)として出版し、ベストセラーになりました。
グルテン不耐症は一説には5人に1人という高い割合の症状ともいわれ、「自分もそうかも」と感じる方が多いのも理由かもしれません。
ジョコビッチ選手の一日の食事例は次のようなものです。
【起床時】
・常温の水を飲む(冷たいのはダメ)、蜂蜜をスプーン2杯食べる。
【朝食】
・グルテンフリーのオートミールやアーモンド、クルミなどのナッツ、ひまわりの種、スライスした果物などを混ぜた「パワーボウル」を食べる。
【昼食】
・キノアやそばでつくられたグルテンフリーパスタと、トマト、キュウリなどの野菜を合わせ、オリーブオイルと塩で味付けし食べる。
【夕食】
・牛肉のステーキか鶏肉、サーモンなどのタンパク質の料理を中心にとる。
そしてジョコビッチ選手が食事するときのルールが「ゆっくり意識的に食べること」。早食いは胃に負担となり消化が遅れるほか、脳に満腹サインが伝わらず食べ過ぎてしまうからです。
さらに「食べながらテレビを観ない」「メールを見たり送らない」「誰かと長々話さない」ことも励行しているそうです。食事中は噛み砕くことに集中し、唾液と食物をよく混ぜることが消化に重要なためです。
こうしたルーティンのため、ジョコビッチ選手は世界中の遠征先では必ず台所付きホテルを選び、自炊するともいわれます。
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ジョコビッチの強さに関するネットの反応










出典:twitter
まとめ
勝ち続ける錦織選手の「天敵」ジョコ選手の強さの秘密が食事にあったとは驚きでした。「ダイエットや健康の基本は食べ物」という事実があらためて痛感させられます。
昔ながらの和食にはほとんどグルテンが含まれていないそうで、日本人には馴染みやすいともいわれるグルテンフリー。「グルテン抜き」のパンやパスタもあるそうですので、心当たりの方は一度お試しになってみてはいかがでしょうか。

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