プロテニスの新シーズンが開幕し、初戦ブリスベン国際では日本男子最上位の世界ランキング9位・錦織圭選手がベスト4進出と、順調な出足を見せています。
錦織圭選手はケガで2017シーズンをほぼ全休し、昨年復帰。しばらくは不調に苦しみ「イップスか?」とも危ぶまれました。その後調子を取り戻した錦織選手、本当にイップスは克服されたのでしょうか。錦織圭選手の今季の課題などを探りました。
錦織圭イップス発言にネット衝撃
イップスとは、主にスポーツ選手が動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレーや意識ができなくなる状態のことです。原因は精神的なものとも脳と筋肉の連動不全とも言われますが、明確なことはまだ分かっていないようです。
日本が誇る世界的トッププレイヤーの錦織圭選手ですが、17年夏、練習でサーブを放った際に右手首に重いケガを負い、残りのシーズンを全休。自身が「正直、終わったと思った」と言うほどの重傷でしたが、手術はせずに回復に努めました。
翌18年1月下旬のツアー下部大会で復帰しましたが、初戦で敗退。2月にツアー大会に出始めてからも、かつて精密機械のようだったショットが乱れ、成績も伸び悩みます。
その頃、錦織圭選手は「イップスになったのでは?」と感じたといいます。17年シーズン、右手首の痛みでトップスピンをかけるフォアを満足に打てなくなり、ケガが治ってもボールのスピンコントロールが上手くいかなくなり、相手コートに入らなくなることもあったそうです。「人生初めての経験」とも語りました。
イップスは痛みや不安、恐怖に対する脳の無意識の防御反応という説もあり、選手の中には治らず引退に追い込まれるケースも。日本のエース錦織圭選手だけに、ネットのファンの間では発言に衝撃が走りました。
しかし錦織選手は見事復活を遂げます。転機は昨夏の全米OP。1回戦で力強い正確なリターンなどがよみがえり「大きなスイッチが入った感覚」(錦織選手)と、確かな手応えを感じたそうです。
ショットの精度が戻ると勢いづいて4強入りし、その後のツアー5大会では2度の準優勝など全て8強入り。世界ランクを9位まで戻しました。精神的にも常に前向きでタフになったと、「恩師」松岡修造氏も壁を越えた錦織選手を称賛しています。
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錦織はまだ2つのイップスが残っている...
見事にケガからのイップスを乗り越えた錦織圭選手ですが、実はネットやファンの間では「まだ他にも残っている」との声があります。錦織圭選手には、戦績として克服できていない大きな「イップス」的ジンクスが2つあるのです。
1、決勝イップス
華々しい活躍の錦織圭選手ですが、残念ながらATPツアー大会の決勝では、16年4月以来優勝がありません。何と進出した決勝戦でこれまで9連敗中なのです。ファンの間では「決勝イップス」と呼ばれています。
もし今参戦中のブリスベン国際や次戦などで再び決勝で敗れると、10回続けての準優勝に。これは、昨年引退したジュリアン・ベネトー選手(仏)に並ぶ不名誉なタイ記録となってしまいます。(ちなみにベネト-選手の記録には錦織選手も関係が。14年のマレーシアOP決勝でベネト-選手に勝ったのが錦織選手でした)
>追記 2019年1月 9連敗でストップしました!
2、ジョコビッチイップス
もう一つ、是非とも克服しなくてはならないのが「ジョコビッチイップス」。元世界ランク1位のジョコビッチ選手との対戦で、錦織選手はこれまで15連敗中です。対戦成績は2勝16敗と圧倒的に苦手な「天敵」になっています。
ジョコビッチ選手自身も今はケガの回復途上で万全ではなく、昨年はダニエル太郎選手らはるか格下にも敗れるほど。ところがなぜか錦織戦では常に「絶好調」。本人いわく「プレースタイルが似ているからかな」とのことですが、それだけに錦織選手としては「今年何としてもなくしたいイップス」といえそうです。
Oh Kei!
No.2 seed Nishikori is all business in a 7-5 6-2 decision over Denis Kudla. That sets up a mouth-watering QF vs Dimitrov... #BrisbaneTennis pic.twitter.com/8tzKbrW5VW
— #BrisbaneTennis (@BrisbaneTennis) January 2, 2019
錦織2019へのネットの期待・反応
出典:twitter
まとめ
お正月のテニス対決バラエティ番組に、錦織選手は以前と同じ明るい表情で出演。親交が深い対戦相手の石橋貴明さんから「ジョコに14連敗中だよね?」と〝揺さぶり〟をかけられ苦笑しながらも、終了後には今季のビッグタイトル獲得を誓っていました。まず挑むのは2年ぶりの全豪OP。「イップス疑惑」を一掃する活躍を期待したいですね。
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