WBA・WBO世界ライト級統一王者ロマチェンコ選手(ウクライナ)の防衛戦が、日本時間13日に米ロサンゼルスで行われます。挑戦者は元WBAライト級王者アンソニークロラ選手です。
全階級仮想ランク「パウンド・フォー・パウンド」で現在1位に君臨し、圧倒的なスピードと技術で〝ハイテック〟と呼ばれるロマチェンコ選手。あっさり敵を退けるのか、それとも「不屈の男」クロラ選手が番狂わせを演じるのか。
31歳となったロマチェンコ選手の「衰え」を測る試合ともいわれる次戦。挑戦者アンソニークロラ選手の戦績や強さと勝敗予想をまとめました。
アンソニークロラの戦績と強さ
アンソニークロラ選手は英国生まれの32歳。オーソドックススタイルで、ボディ打ちを得意としており、ボディでダウンを奪えるのが特徴です。
2006年にプロデビュー。英国内のBBBofCスーパーフェザー級王座、ライト級王座などを獲得。13年にWBOインターコンチネンタルライト級王者となるなど、着々と戦績を重ねます。
世界初挑戦は15年7月。WBAライト級王者ペレス選手に挑み、試合は判定でアンソニークロラ選手優勢かと思われましたが、結果は3者3様の引き分け。会場は騒然となり、WBAは再試合を指令します。
そして11月に再戦を行い、今度は見事にダウンを奪う強さで5回KO勝ちを収め、世界王座獲得に成功しました。
16年に一度KOで防衛した後、同年9月にホルヘ・リナレス選手の挑戦を受け、判定負けで王座から陥落。リナレス選手とは再戦でも敗れましたが、18年11月に行なわれたヨルダン選手との試合に勝利してWBAランキング1位への再起を果たしました。戦績は43戦34勝(13KO)6敗3分です。
ではクロラvsロマチェンコ戦の展開予想はどうなのでしょうか。
ロマチェンコ戦の日程と予想
昨年、ライト級に階級を上げて3階級制覇を成し遂げ、さらに年末には2団体統一王者となったロマチェンコ選手。
当初はIBFライト級王者コミー選手との3団体統一戦が計画されていましたが、コミー選手が王座決定戦で右拳を負傷したためキャンセルに。このため、再起して指名挑戦権を得たWBAライト級1位・アンソニークロラ選手との指名試合が行なわれることになりました。
その試合日程は以下の通りです。
・ロマチェンコvsアンソニークロラ 日本時間13日正午ごろ(会場:米ロサンゼルス・ステープルズ・センター)
では注目のこの試合、勝敗予想はどうなのでしょうか。戦績から見れば、五輪金メダルを連覇し、プロ転向後わずか13試合で3階級制覇と統一王座獲得を遂げた強さでは、どう比較してもロマチェンコ選手が圧倒的に上です。
海外ブックメーカーのオッズでも「ロマチェンコ勝利:クロラ勝利」はbet365が「1.01:19」、 William hillが「1.01:21」と桁違いの差になっています。
ただ一つ、ロマチェンコ選手に懸念材料があるとすれば、30歳を超えてライト級に上げ、プロ初のダウンを喫したり前戦でも判定にもつれ込むなど「ライト級はきついのでは」「衰えの兆しか?」とも噂される点です。
クロラ選手が持ち味の堅いガードとステップで間合いを詰め、正確無比に打ち込んでくるロマチェンコ選手のパンチに対応できるか。重いボディ攻撃でロマチェンコ選手の焦りを誘い、勝機を見いだせるかが見どころとなりそうです。
アンソニークロラのネットの評価
出典:https://youtu.be/Tfnbkaz-PDI
まとめ
昨年末、右肩負傷からの復帰戦となった2団体王座統一戦に勝利したロマチェンコ選手。「ずっと王座を統一することを目標にしてきた。夢だった」と感慨深い様子でした。
クロラ選手との指名戦に勝てば、延期になったIBFライト級王者コミー選手との3団体統一戦が濃厚。これも年内には行われる可能性があり、ロマチェンコ選手がライト級で〝世界最強〟に居続けることができるのか、注目されます。
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