ボクシングの世界最強を争うWBSSバンタム級決勝は、レジェンド・ノニトドネア(36)と、井上尚弥(26)との対決となりました。
過去のひとと言われながらここまで勝ち上がってきたノニトドネアの戦績一覧から、ピークがいつで、いつから衰えた始めたのかを探りましょう。
今回軽量級で復活した!は本物かも考えてみたいところです。
ノニトドネアの戦績一覧
ノニトドネアの戦績一覧のこれまでの戦績をまとめます。
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2001年2月22日 | 勝利 | 1R 1:46 | KO | ホセ・ラサロ | アメリカ合衆国 | プロデビュー戦 |
2 | 2001年3月10日 | 敗北 | 5R | 判定0-3 | ロセンド・サンチェス | アメリカ合衆国 | |
3 | 2001年6月8日 | 勝利 | 4R | 判定3-0 | サウル・サントーヤ | アメリカ合衆国 | |
4 | 2001年7月3日 | 勝利 | 1R 0:30 | TKO | ホセ・ルイス・トーレス | メキシコ | |
5 | 2002年5月31日 | 勝利 | 2R | TKO | ノエ・アルマ | フィリピン | |
6 | 2002年9月1日 | 勝利 | 2R | KO | カイチョン・ソー・ウォラピン | タイ | WBOアジア太平洋フライ級王座決定戦 |
7 | 2002年11月2日 | 勝利 | 8R | 判定3-0 | マーク・サレス | フィリピン | |
8 | 2003年6月27日 | 勝利 | 1R 1:43 | TKO | ホルヘ・ロペス | メキシコ | |
9 | 2004年6月18日 | 勝利 | 4R 3:00 | TKO | リカルド・バレラ | メキシコ | |
10 | 2004年11月12日 | 勝利 | 8R | 判定3-0 | ヒルベルト・ムニョス | メキシコ | |
11 | 2005年5月13日 | 勝利 | 6R 3:00 | TKO | パウリノ・ビジャロボス | メキシコ | |
12 | 2005年7月2日 | 勝利 | 6R | 判定3-0 | ラリー・オルベラ | アメリカ合衆国 | |
13 | 2005年10月1日 | 勝利 | 1R 2:19 | KO | ダニエル・ゴンサレス | メキシコ | |
14 | 2005年11月5日 | 勝利 | 8R | 判定3-0 | イルド・フリオ | コロンビア | |
15 | 2006年1月20日 | 勝利 | 10R | 判定2-1 | カレン・ハルツニャン | アルメニア | NABF北米スーパーフライ級王座決定戦 |
16 | 2006年7月29日 | 勝利 | 2R 1:48 | TKO | ホセ・ルイス・カルデナス | メキシコ | |
17 | 2006年10月7日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | オスカル・アンドラーデ | メキシコ | |
18 | 2007年5月12日 | 勝利 | 1R 2:29 | TKO | ケビン・ハギンズ | アメリカ合衆国 | |
19 | 2007年7月7日 | 勝利 | 5R 1:38 | TKO | ビック・ダルチニアン | オーストラリア | IBF世界フライ級タイトルマッチ IBF・IBO王座獲得 |
20 | 2007年12月1日 | 勝利 | 8R 1:16 | TKO | ルイス・マルドナド | メキシコ | IBF防衛1 |
21 | 2008年11月1日 | 勝利 | 6R 1:31 | TKO | モルティ・ムザラネ | 南アフリカ共和国 | IBF防衛2 |
22 | 2009年4月19日 | 勝利 | 4R 2:42 | TKO | ラウル・マルチネス | アメリカ合衆国 | IBF防衛3 |
23 | 2009年8月15日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | ラファエル・コンセプシオン | パナマ | WBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦 |
24 | 2010年2月13日 | 勝利 | 3R 1:33 | KO | マヌエル・バルガス | メキシコ | |
25 | 2010年7月10日 | 勝利 | 8R 2:59 | TKO | エルナン・マルケス | メキシコ | WBA防衛1 |
26 | 2010年12月4日 | 勝利 | 4R 1:48 | KO | ウラジミール・シドレンコ | ウクライナ | WBCアメリカ大陸バンタム級王座決定戦 |
27 | 2011年2月19日 | 勝利 | 2R 2:25 | TKO | フェルナンド・モンティエル | メキシコ | WBC・WBO世界バンタム級タイトルマッチ |
28 | 2011年10月22日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | オマール・ナルバエス | アルゼンチン | WBC防衛1・WBO防衛1 |
29 | 2012年2月4日 | 勝利 | 12R | 判定2-1 | ウィルフレド・バスケス・ジュニア | プエルトリコ | WBO世界スーパーバンタム級王座決定戦 |
30 | 2012年7月7日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | ジェフリー・マゼブラ | 南アフリカ共和国 | IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 IBF獲得・WBO防衛1 |
31 | 2012年10月13日 | 勝利 | 9R 1:54 | TKO | 西岡利晃(帝拳) | 日本 | WBO防衛2 WBCダイヤモンド王座・リングマガジン認定王座獲得 |
32 | 2012年12月15日 | 勝利 | 3R 2:59 | KO | ホルヘ・アルセ | メキシコ | WBO防衛3 |
33 | 2013年4月13日 | 敗北 | 12R | 判定0-3 | ギレルモ・リゴンドウ | キューバ | WBA・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 |
34 | 2013年11月9日 | 勝利 | 9R 2:06 | TKO | ビック・ダルチニアン | オーストラリア | |
35 | 2014年5月31日 | 勝利 | 5R 0:01 | 負傷判定 3-0 | シンピウィ・ベトイェカ | 南アフリカ共和国 | WBAスーパー・世界フェザー級タイトルマッチ |
36 | 2014年10月18日 | 敗北 | 6R 2:59 | KO | ニコラス・ウォータース | ジャマイカ | WBA世界フェザー級王座統一戦 |
37 | 2015年3月28日 | 勝利 | 2R 2:16 | TKO | ウィリアム・プラド | ブラジル | NABF北米スーパーバンタム級王座決定戦 |
38 | 2015年7月18日 | 勝利 | 2R 1:41 | TKO | アンソニー・セトゥル | フランス | |
39 | 2015年12月11日 | 勝利 | 12R | 判定3-0 | セサール・ファレス | メキシコ | WBO世界スーパーバンタム級王座決定戦 |
40 | 2016年4月23日 | 勝利 | 3R 2:44 | TKO | ゾルト・ベダク | ハンガリー | WBO防衛1 |
41 | 2016年11月5日 | 敗北 | 12R | 判定0-3 | ヘスス・マグダレノ | アメリカ合衆国 | WBO陥落 |
42 | 2017年9月23日 | 勝利 | 10R | 判定3-0 | ルーベン・ガルシア・エルナンデス | メキシコ | WBC世界フェザー級シルバー王座決定戦 |
43 | 2018年4月21日 | 敗北 | 12R | 判定0-3 | カール・フランプトン | イギリス | WBO世界フェザー級暫定王座決定戦 |
44 | 2018年11月3日 | 勝利 | 4R 終了 | TKO | ライアン・バーネット | イギリス | WBAスーパー世界バンタム級タイトルマッチ |
45 | 2019年4月27日 | 勝利 | 6R 2:37 | KO | ステフォン・ヤング | アメリカ合衆国 | WBA防衛1 |
テンプレート |
ドネアは、45戦40勝5敗でフライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級の5階級の世界王者で、レジェンドと呼ばれています。
しかし、近年は、負けが込みだし、36歳、さすがにピークはすぎたのではとうわさされていました。
<階級と勝敗の推移>
各階級の中心ウェイトを縦軸に、勝敗を赤、青で示しました。
ピークを過ぎてからは、負けるたびに、目まぐるしく階級を変え復活をはかるものの、スーパーバンタム級、フェザー級では限界を感じたと思われます。
しかし、ドネアのツイッターの一番上の固定ツイート、すごく彼の強さが分かります。
Repost from @Knockout_Queen :
Knockout birthday for @filipinoflash pic.twitter.com/7WL1MQLCHw— Nonito Donaire (@filipinoflash) November 17, 2018
特にこれの最初のものですが、攻められているのに相手が倒れているの、怖いですね。
重要な試合5選
(1)まず、2007年7月7日、24歳の時の、当時28勝23KO無敗、豪打のビック・ダルチニアンとのIBF世界フライ級タイトルマッチです。5R 1:38 TKOで勝利しました。
これで、IBF・IBO王座を獲得しました。
これらの活躍で、2007年度のリングマガジン ノックアウト・オブ・ザ・イヤーとアップセット・オブ・ザ・イヤーの表彰を受けることとなり、ドネアの強さが際立ち始めた記念すべき試合です。
(2)2011年10月22日、28歳で、オマール・ナルバエスと対戦し、12R 判定3-0で勝利します。
これで、バンタム級のWBC防衛1・WBO防衛1をなし遂げました。
ここまでにスーパーフライ級、バンタム級とクラスを上げながら、勝ち進んでおり、次にスーパーバンタム級にクラスを上げて、4連勝することになります。
(3)ところが、2013年4月13日30歳で、ギレルモ・リゴンドウとのWBA・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦で、判定負けを喫します。
プロデビュー後の2戦目で敗れて以来、31戦目、12年ぶりの敗戦でした。
ここらで、そろそろピークを過ぎ始めたかと思われました。
(4)しかし、階級をさらにフェザー級にあげて、復活を遂げます。
3連勝の後、2014年10月18日に31歳での、ニコラス・ウォータースとのWBA世界フェザー級王座統一戦で6R 2:59でのKO負けを喫しました。
これまでで、初めてのKO負けでした。衰えが明らかになった試合でした。
(5)そして2018年11月3日におこなわれた35歳でのWBSS世界バンタム級タイトルマッチでのライアン・バーネットとの戦いです。
ドネアは過去の人、バーネット圧倒的有利の予想の中で、バーネットが途中で、腰を痛めたとはいえ、4RTKOと予想を覆して勝利しました。
バンタム級以下の軽量級では、デビュー2戦目の1敗しかしていないと、復活をアピールしました。
そして、幸運に恵まれて、、準決勝も対戦相手が格下になったとはいえ、KOで勝ち、決勝戦進出となった訳です。
まだまだやれると言う可能性を感じさせました。
ピーク時と衰え始めた時期
ピークは28歳の2011年前後と思えます。
スーパーフライ級、バンタム級とクラスを上げながら、勝ち進んで来て、その後もスーパーバンタム級にさらにクラスを上げて、4連勝するなど、怖い者なしの状況でした。
2度目のノックアウト・オブ・ザ・イヤー(2011年)を受賞し、その名声、実力ともピークに達したと言えます。
2013年4月13日30歳で、ギレルモ・リゴンドウとのWBA・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦で、デビュー後2戦目以来12年ぶりの負け(判定)を喫したのが、衰え始めた時期と考えられます。
そして2014年10月18日に31歳でのKO負けで決定的となります。
但し、今回のWBSS世界バンタム級での2勝で、軽量級では、まだまだやれるのではとの声が上がっています。
ノニトドネアのネットの評価まとめ
今のドネアでは普通にやったら井上の相手にならない気がする
百戦錬磨の経験を活かして、あっと驚く対策をしてくることを期待するしかない
当然井上尚弥が勝つと思っていますが、まさかの心配、老獪なドネアがどういう作戦を取ってくるのか気になるところです。
井上尚弥とも親交があります。
The Monster and The Filipino Flash go way back. They collide for real in a few months time @WBSuperSeries #InoueDonaire #boxing pic.twitter.com/KPBN3PU4j0
— Tom Gray (@Tom_Gray_Boxing) May 19, 2019
まとめ
ノニトドネアの戦績一覧からピーク時と衰えた始めた時期についてまとめました。
可能性は小さいものの、万一決勝戦で、ノニトドネアが井上尚弥を破るような事態となれば「フィリピンの閃光」の完全復活を宣言することになるでしょう。
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