WBA世界ミドル級王者の村田諒太選手が、12月23日に横浜アリーナで、同級9位のスティーブン・バトラー選手(カナダ)と初防衛戦を行います。
一度はロブ・ブラント選手から奪われた王座を、今年7月の再戦で、渾身の圧巻2RKO劇で奪い返した村田選手。次戦相手のスティーブン・バトラー選手とはどんなボクサーなのでしょうか。その戦績や強さ、勝敗予想をまとめました。
スティーブン・バトラーの戦績と強さ
村田諒太選手に挑戦するスティーブン・バトラー選手は24歳。オーソドックスタイプのボクサーです。14年にプロデビュー。長くスーパーウェルター級で戦ってきましたが、昨年から一つ上のミドル級に階級を上げています。
現在はWBA9位のほか、WBC4位、IBF8位、そしてWBOでは1位にランキング。戦績は30戦28勝(24KO)1敗1分と、80%以上の高いKO率を誇ります。
元WBC世界ライトフライ級王者で、解説者の木村悠さんは、バトラー選手の強さを次のように評しています。
バトラーは身長182cmでリーチが203cm。KO率が80%。長いリーチを活かしたストレートが特徴の選手だ。
弾丸を放つようにパンチを打つ事から「BANG BANG」の異名を持ち、現在はWBA9位、WBO1位にランクされる。
身長は村田(183cm)と同じくらいだが、リーチが村田(184cm)より20cmほど長いためやりにくい相手だ。
バトラーにとっては、今回が初の世界挑戦となる。村田としては、得意な近距離に持ち込んで、強いパンチを打ち込みたいところだ。:Yahoo!ニュースより
高いKO率が相当なハードパンチャーぶりを示しているスティーブン・バトラー選手。過去の試合動画を見ても、左フック、右ストレートなどの威力がかなりあることが分かります。
↓17年のバトラー選手のKO勝ち試合
村田諒太戦を予想
KO率の高い戦績とパンチの強さを持つスティーブン・バトラー選手。迎え撃つ村田諒太選手も警戒を強めているようです。
村田選手はバトラー選手について「この試合を受けてくれたことに感謝したい。好戦的なのでかみ合うのではないか。彼に勝つことが自分の評価を上げてくれると思う」と指摘。
来日したバトラー選手と会見で横に並び「スーパーウェルター級でやっていたから、もう少し小柄と思っていたらミドル級のフレーム。(体格は)しっかりしている。肌は若い」と評価していました。
強さが噂される相手のパンチについては「ビビったら強いパンチは打てない。自分のスタイルは前回の試合で確立できたので、基本的にはその闘いになる」と話し、前回のブラント戦のように、早い回から前に出て打ち合う決意を示しました。
動画で見る限りでもよく似たファイトスタイルの王者と挑戦者だけに、1回から激しく近距離でパンチをヒットし合う壮絶な展開も予想され、再び早い決着になる可能性もありそうです。
スティーブン・バトラーのネットの評価
出典:twitter
まとめ
バトラー選手はWBOミドル級王者アンドラーデ選手(米国)への指名挑戦権も持つ実力派ですが、今回あえてWBAの村田選手に挑戦。「村田選手と対戦する方が私に分があると感じた」と自信を示しています。
バトラー選手は祖父も元プロボクサーで、70年代に、当時23戦無敗を続けていた元WBCウェルター級王者に敵地で初黒星をつけたことがあったとか。「番狂わせのDNA」を引き継いでいる自負も、母国からはるか遠い日本での戦いを選んだ背景にあるのかもしれません。