19日行われたボクシングWBO世界スーパフライ級王座決定戦で、井岡一翔選手が見事TKO勝利し、日本人初の四階級制覇を成し遂げました。
一度は現役引退を表明しながら、華麗に復活を遂げ新たな一歩を踏み出した井岡一翔選手。次に戦いたい相手として、PFPランカーでもあるWBC王者エストラーダ選手を挙げました。
エストラーダ選手の強さや戦績は?仮に対戦すれば井岡選手とどちらが強いのでしょうか。
エストラーダの戦績と強さ
井岡一翔選手が対戦を望むエストラーダ選手とはどんな戦績で、強さはどのくらいなのでしょうか。
ファン・フランシスコ・エストラーダ選手はメキシコ生まれの29歳。08年にプロデビュー。世界初挑戦は12年、当時〝世界最強〟ともいわれたローマン・ゴンザレス選手と米国で戦い、判定負けとなりました。
13年にフライ級WBAスーパー王者・WBO王者のビロリア選手と対戦し判定勝ち。2度目の世界挑戦で二つの王座を一気に獲得しました。
エストラーダ選手はフライ級で防衛を重ね、16年にスーパフライ級に階級を上げます。18年、WBC世界スーパーフライ級王者のシーサケット選手と対戦。僅差の判定負けで2階級制覇に失敗します。
しかし今年4月、シーサケット選手と再戦し、今度は判定勝ちでリベンジを果たし、2階級制覇を達成しました。戦績は42戦39勝(26KO)3敗です。
エストラーダと井岡一翔実現するか?
40戦以上の豊富な戦績と7割近いKO率という強さを誇るエストラーダ選手。実はフライ級時代に井岡一翔選手とは一度対戦が実現しかかりました。
16年7月、当時WBAフライ級正規王者の井岡選手とスーパー王者のエストラーダ選手に対し、WBAは王座統一戦を行うよう指令。
しかし条件が折り合わなかったとみられ、二か月後、エストラーダ選手はフライ級の王座を返上し階級を移りました。
今回WBO王者となり、エストラーダ選手らと並んでスーパーフライ級王者の一人になった井岡一翔選手。19日の試合後には「WBOのベルトをチケットにして、海外のチャンピオンと戦いたい」と統一戦を熱望しました。
そしていの一番にエストラーダ選手を指名。「ずっと近い階級にいるし、世界的にも評価が高いし、メキシコでも米国でも人気だし」と、世界有数の実力者との顔合わせに意欲を示しました。
ベルトを掲げ、歓喜の雄叫びです(留)#井岡一翔 #4階級制覇 #ボクシング #歓喜の瞬間 pic.twitter.com/gcNHShIomu
— 朝日新聞 映像報道部 (@asahi_photo) June 19, 2019
エストラーダと井岡どっちが強い?
それまでPFP8位にランクしていたシーサケット選手を因縁の再戦で破り、入れ替わってPFPトップ10入りを果たしたエストラーダ選手。
戦績が示すとおり、フルラウンドでも衰えないスタミナを持ち、手数の多さやボディショットと右フックを軸とした攻撃にも強さがあります。
昨年の「シーサケット1」戦では相手の強打を警戒しすぎた感がありましたが、「シーサケット2」ではアウトボクシングのテクニックを存分に発揮し、3-0のジャッジで完勝しました。
一方の井岡一翔選手も日本人屈指の技巧派。パリクテ戦でもうまさが光りました。ジャブで機先を制してリズムをつくると、パリクテ選手の大振りパンチも見切り、打ち終わりには細かく連打。
相手が打ち合いを挑んできた中盤も下がらず「ここで打ち勝たないと」と果敢に応戦。TKOした10回の一気の畳み掛けもさすがでした。
駆け引き、距離感など総合力に秀でた二人。スーパーフライ級ではエストラーダ選手に「一日の長」があるものの、対戦が実現すれば「玄人好み」なヒリヒリする接戦も予想されそうです。
https://twitter.com/GalloEstradaOfi/status/1126017768543776768
エストラーダのネットの評価まとめ
出典:twitter
まとめ
ガリョ(雄鶏)の愛称でも知られるエストラーダ選手。母国メキシコでは「人気のカネロ、実力のガリョ」と呼ばれるほど、軽量級では珍しく高い人気があります。
井岡選手が言うように、年齢もほぼ同じで長く近い階級でお互いが活躍しながら、なぜか相まみえることがなかった間柄。百戦錬磨の実力者同士とあって、米国などで統一戦が実現すれば盛り上がりは必至でしょう。
井岡選手はじめ、井上、田中、京口、拳四朗選手ら「海外でも勝てる」日本人王者がひしめくボクシング軽量級。その世界戦線が、これからますます熱くなりそうです。