キックボクシングの世界トーナメント「RISE WORLD SERIES 2019」準決勝が、21日に大阪市で行われます。
準決勝2試合の組み合わせは、メインイベントが「那須川天心vsスアキム(タイ)」戦、そしてセミファイナルが「志朗vsルンキット(タイ)」戦です。
決勝に勝ち上がるのは誰か。ファンの間では優勝候補筆頭で「最強の神童」那須川選手と、若きムエタイ王者・ルンキット選手の顔合わせを予想する声もあります。
ルンキット選手の強さは?その成績やこれまでの試合ぶりなどをまとめました。
ルンキット(ムエタイ出身)の強さ・成績は?
タイ・ラノーン県生まれのサウスポー、ルンキット・ウォーサンプラパイ選手はまだ17歳、現役高校生という若さ。しかし格闘技の成績はかなり凄く、ムエタイ中心にこれまで77戦60勝16敗1分の戦績を残しています。
この若さで、タイトルもムエタイでは権威ある「ラジャダムナンスタジアム・スーパーフェザー級王者」を獲得する強さです。
ルンキット選手は7歳からムエタイを始め、早くも10歳ごろからムエタイの殿堂ラジャダムナンスタジアムに出場。最も強さを見せた試合は、昨年10月のロッタン選手とのタイトル戦でしょう。
ロッタン選手といえば、那須川天心選手を延長戦までもつれるほど苦しめた〝天心の宿敵〟。その「重戦車」ロッタン選手の強打を、ミドルキックとヒザ蹴りで封じて判定勝ち。わずか16歳で王座に就きました。
3月のトーナメント1回戦では、かつて那須川選手と対戦して善戦したコルデイロ選手(ポルトガル)を、3R判定勝ちで下しました。
タイでムエタイ選手としても活躍している準決勝の相手・志朗選手のことはよく知っているそうで「まあ負けないと思います」と自身満々。「決勝では天心と戦いたい」と早くも先を見据えているようです。
ルンキットvs那須川天心の予想
もし実現すれば、「17歳対20歳」というフレッシュな王者同士の決戦となる「ルンキットvs那須川天心」のRISE決勝戦。
ルンキット選手はムエタイ仕込みの強さや成績も十分なものの、やや「判定試合」が多いのが気になります。準決勝の相手・志朗選手も「試合がつまらない」と指摘。タイでは賭けムエタイが盛んですが、顧客からも「攻める姿勢が足りない」と人気が低いそうです。
3月の初戦でも、パンチが少ないなどRISEルールにあまり対応できていない印象も。ただ、以前試合をした日本選手によれば「距離を取るのが非常にうまい」ともいいます。
那須川選手について、ルンキット選手は「彼はパンチが強いグッドファイター。カウンターの使い方も上手い」と高く評価。
那須川選手はパンチ、キックの強打も技術のうまさも両方持ち合わせているだけに、ファンの間では仮に二人が対戦すれば「いきなりの打ち合いになるか、距離を探り合う技術戦になるか」の二択になる、との見方もあります。
ルンキット選手が勇気を持って前に出てくれば、まさに「瞬き禁止」の壮絶な打撃戦も予想されそうです。
ルンキットに関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
那須川選手が準決勝で戦うムエタイの英雄・スアキム選手とは、ルンキット選手は最近2度対戦しています。
昨年12月には途中までルンキット選手が優勢に試合を進めながらも、スアキム選手も粘り、5R判定でスアキム選手が勝利。今年2月には逆にルンキット選手が5R判定勝利しリベンジしています。
那須川選手としては、難敵スアキム選手をどう攻略するかが、ルンキット戦にも鍵となりそう。ただ志朗選手も「この4か月サウスポー対策しかしていない」と勝ちを確信している様子。準決勝は意地がぶつかり合う好カードとなるのは間違いなさそうです。