今月30日から9月8日までの日程で、野球の「WBSC U-18ワールドカップ(WC)」が韓国で開催されます。
春夏の高校野球甲子園大会などで活躍した各校の精鋭20人が、「侍ジャパン」としてWC初優勝を目指します。
「初優勝」と書いた通り、実は日本はU18野球WCで過去に優勝経験がありません。それはなぜでしょうか?日本のWC歴代成績とともにまとめました。
U18高校野球WC歴代成績は?
高校野球のU18・WCは今回が29回目。世界12カ国・地域の代表が6チームずつグループA、Bに分かれまず1次リーグを行います。
各組上位3チームが2次リーグに進出。別組の上位3チームと対戦し、1次リーグの勝敗を加えた上位2チームが決勝に進む仕組みです。
過去29回の大会中、日本が出場したのは今回で9回目。いわゆる「高校野球日本代表」の全日本チームで臨むのは、今回が6回目です。
その〝フル代表〟として参加した過去5回の日本歴代成績は以下の通りです。(なお、高校野球U18WCはこれまで「AAA野球選手権」「18U世界選手権」「IBAF 18Uワールドカップ」「WBSC U-18ワールドカップ」と名称が変遷しています)
第21回(04年)準優勝(優勝:キューバ)
第25回(12年)6位(優勝:米国)
第26回(13年)準優勝(優勝:米国)
第27回(15年)準優勝(優勝:米国)
第28回(17年)3位(優勝:米国)
初めてフル代表で臨んだ04年は、ダルビッシュ投手(東北・現カブス)を擁したものの準優勝。大谷翔平(花巻東・現エンゼルス)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭・現阪神)の両エースで挑んだ12年でも6位でした。
さらに13年は松井(桐光学園・現楽天)、山岡(瀬戸内・現オリックス)両投手を軸に、森捕手(大阪桐蔭・現西武)も前年に続き出場しましたが、決勝で米に惜敗。
清宮(早実・現日ハム)、安田両選手(履正社・現ロッテ)ら強力打線を並べた前回も3位止まりでした。
↓(ご参考)昨年開催のU18アジア選手権・日本vs韓国戦
U18高校野球WC優勝の可能性は?
日本がフル代表としてはわずか5回しか出場せず、歴代成績でも優勝ゼロにとどまる高校野球U18WC。毎回、現在のNPBやMLBでバリバリ活躍するスター選手を揃えながらも、なかなか優勝できません。
その最大の理由は、WCの大会がちょうど日本では夏の甲子園のスケジュールと重複していることにありそうです。
WCなどの高校野球国際大会は7月末から8月初旬に開かれており、日本では甲子園の地方大会と重なるため、長らく物理的に参加が困難でした。
ようやく主催者側が日本に配慮して8月末~9月開催に変更したことで、近年は参加できるようになった経緯があります。ただ8月は夏の甲子園の真っ最中。その終了直後の国際大会とあって、代表チームの準備期間も十分とはいえません。
また国際大会は木製バット使用のため、普段金属バットの日本選手は不慣れなまま試合に臨むというデメリットも大きいようです。
このほど高校侍ジャパンはチーム練習入りしましたが、甲子園組の合流は24日になる上、すぐに韓国に渡り、本番は1週間後。
初優勝に大きな期待が高まるものの、条件面では、やはり韓国・米国などのライバル強豪国に比べ厳しいのは事実といえそうです。
8月30日から韓国で開催される「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。出場する侍ジャパンU-18代表が22日、チーム初練習を行いました。
甲子園決勝出場の2名は24日に合流、26日の大学日本代表との壮行試合を経て、28日に韓国に向けて出発します。https://t.co/22O5ufhvK1#侍ジャパン— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) August 22, 2019
U18高校野球に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
U18・WCでのこれまでの優勝回数ではキューバが11回、米国が9回と際立ちます。特に日本は、参加の各大会でことごとく米国に苦杯をなめているのが悔しいところ。
日本開催だった15年も、米との頂上決戦で1点差の惜敗。高校野球の聖地・甲子園球場に星条旗が翻った屈辱も思い出されます。
代表球児たちには疲れもあるでしょうが、ライバル国を撃破して、何とか表彰台の真ん中に日の丸を掲げてほしいものです。