陸上競技の世界一を決める「世界陸上2019」が、今月27日から10月6日まで、中東のドーハで行われます。
日本選手が出場する短距離、フィールド、競歩などの競技が見どころですが、その中で今回は「男女マラソン」に注目してみました。
世界陸上2019のマラソン代表選手一覧は?世陸のマラソンは、来年の東京オリンピックの代表選考とはどう関わるのでしょうか。
世界陸上2019マラソンはオリンピック選考とは無関係?
奇数年に行われる世界陸上2019。夏季オリンピックは4年おきの偶数年開催ですので、世界陸上は毎回オリンピックの前年に行われることになります。
来年に迫った東京オリンピックのマラソンといえば、先日のMGCで男女代表計4人が決定。残る出場枠は男女1人ずつです。
これまでのオリンピックでは世界陸上も重要な代表の選考対象レースでしたが、今回の世界陸上2019はどうなのでしょうか。
東京五輪マラソン代表の選考方法は次の通りとなっています。
・代表枠は男女3人ずつ。
・17年夏から今春までの国内指定レースなどで条件を満たした選手がMGC出場権を得る。
・MGCの男女2位までが代表に決定。
・残り1枠は、来年3月までの国内男女各3大会(MGCファイナルチャレンジ)で、設定記録(男子2時間5分49秒、女子2時間22分22秒)を突破した最速の選手を代表とする。
・MGCファイナルチャレンジで該当者がいない場合は、MGC3位選手を代表とする。
MGCファイナルチャレンジの指定大会は男子が福岡国際、東京、びわ湖毎日、女子はさいたま国際、大阪国際女子、名古屋ウィメンズの各マラソンです。
つまり世界陸上2019は対象外であり、仮に優勝しても日本新記録を出しても東京五輪代表にはなれないことになります。
では世界陸上代表の男女6選手一覧をご紹介しましょう。
レース前から本命視されて、相当なプレッシャーを受けながらも、自分のレースを貫いて結果を残した選手は本当に強いと思います。
男子も女子もドーハ世界陸上に向けて、とてもモチベーションが上がる素晴らしいレースでした。 https://t.co/1OayinA0pZ— 川内 優輝 Yuki Kawauchi (@kawauchi2019) 2019年9月15日
世界陸上2019マラソンの出場選手一覧
東京オリンピック代表選考の枠外にある世界陸上2019。そのマラソン代表の選手一覧は以下の通りです。
【男子】
・川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)
・二岡康平(中電工)
・山岸宏貴(GMO)
【女子】
・中野円花(ノーリツ)
・谷本観月(天満屋)
・池満綾乃(鹿児島銀行)
川内選手は2大会連続4度目の出場で、他の5人は初出場。6人ともMGCの参加資格を持っていましたが、開催時期が近いことなどから出場を見送り、世界陸上に絞った形になっています。
【スタート時間】
<女子>28日朝5:59、<男子>10月6日朝5:59(いずれも日本時間)
6人のドーハでの活躍が期待されますが、6選手が来年の東京五輪に出場するには、前述の「MGCファイナルチャレンジ」にあらためて出場し、設定記録を破るという非常に高いハードルを越える必要があります。
世界陸上2019マラソンに関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
五輪マラソン代表選考はこれまで基準が曖昧で、過去には何度も選手間の「騒動」が起きました。
例えばバルセロナ五輪では、タイムで上回る松野明美さんより実績重視で有森裕子さんを選出し、大議論に。ソウル五輪でもケガでエース瀬古氏が選考レースに出られず、救済措置を受けたことを、ライバル中山氏が批判しました。
こうした反省から、東京五輪ではMGCというほぼ「1発勝負」に変更。基準タイムなども明確にし、より「分かりやすく納得できる」選考方法になりました。
ただこれも「自国開催五輪」という前提あってのウルトラC。国内の主要大会には放映権やスポンサーなどの関係があり、今後も同様の制度が続くかは不透明です。
競泳は、高いタイム設定の1発勝負で代表を決めるようになってレベルが上がったといわれます。「世界に勝つマラソン復活」のためには改革の継続が必要かもしれません。