さいたまスーパーアリーナで行われるボクシングの世界最強決定トーナメント・WBSSバンタム級決勝、「WBA・IBFバンタム級王座統一戦」まであと1か月。
5階級制覇王者のノニト・ドネア選手(フィリピン)と対戦するWBA王者・井上尚弥選手が、このほど練習を公開しました。スパーリングパートナーはアルバート・パガラ選手です。
なぜ今、パガラ選手が尚弥選手の相手に選ばれたのか。アルバート・パガラ選手の強さや戦績を調べました。
井上尚弥のスパーリングパートナーのアルバート・バガラの戦績
井上尚弥、拓真選手の兄弟世界戦揃い踏みとなる11月7日の大一番に向け、定期的に公開練習を行っている井上尚弥選手。
このほど報道陣に公開したトレーニングでは、新たなスパーリングパートナーとしてアルバート・パガラ選手を迎えました。
パガラ選手はスーパーバンタム級の現役。スパーリングもかなり本番を意識した本格的な内容だったようです。このアルバート・パガラ選手とはどんなボクサーなのでしょうか。
パガラ選手はフィリピン・南レイテ州出身の25歳。ボクシングスタイルはオーソドックスです。11年にプロデビューし、愛称は「プリンス」。兄もフィリピンのプロボクサーです。
これまで世界王座の挑戦経験はありませんが、IBFインターコンチネンタルやWBOインターコンチネンタルのスーパーバンタム級王座を獲得しています。戦績は33戦32勝(23KO)1敗と、かなり豊富です。
10月4日公開練習🥊
絶好調なり pic.twitter.com/3oX8Zuz0gK— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) 2019年10月4日
アルバート・バガラの強さとは?仮想ドネアに納得の声
井上尚弥選手の新しいスパーリングパートナーに選ばれたアルバート・パガラ選手。現在WBOスーパーバンタム級2位のバリバリの現役ボクサーで、戦績も非常に豊富です。
井上尚弥選手所属ジムの大橋秀行会長によれば「ドネアにそっくり」なのが、パガラ選手招請の理由のようです。11月に井上選手が対戦するドネア選手は、「フィリピンの閃光」の愛称通り、数々のKOを生んできた強烈な左フックが最大の武器。
パガラ選手も昨年11月の試合では、相手選手をパワフルな左ボディや左フックでリングに沈め、わずか1RでKO勝ち。井上選手と4回のスパーリングを行なったのを見た大橋会長は「めちゃくちゃ練習になる。強いですよ。圧のかけ方とかカウンターの取り方はフィリピン人独特のものがある」と評価。〝仮想ドネア〟として納得の人選だと満足そうでした。
アルバート・パガラ選手は昨年、実際にドネア選手と6回のスパーリングを行ったこともあるといい、本番直前のスパーリングパートナーとしては最適のボクサーだといえそうです。
井上のスパーリングに関するネットの反応
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/cm/
まとめ
井上尚弥選手はパガラ選手とは別に、2階級上のフェザー級で世界挑戦の経験もある、同じフィリピン人のセルバニア選手とこれまで何度もスパーをこなしています。
上の階級の選手と練習することで、パワーなどの負荷をかけるのが狙い。セルバニア選手とのスパー後は「1、2Rは思うようにやれたので、3Rはディフェンスに回ってみた感じですね」と充実の表情を見せていました。
先月までは米国五輪代表候補のラミド選手がスパーリングパートナーを務めるなど、本番を想定して毎回違うタイプの相手と練習を重ね、調整は大変順調な様子。近づく「決戦の日」がますます楽しみです。