コーチ不在が続いていた女子テニス世界ランキング1位の大坂なおみ選手の新コーチに、元男子プロのジャーメインジェンキンス氏の就任が決まりました。
バインコーチ「電撃解任」後、初の試合となったドバイ選手権では初戦敗退と影響が心配された大坂選手。正式な新コーチ選任で本来の力を取り戻すことが期待されます。
そのジャーメインジェンキンス氏のプロフィールとは?どんな理由で大坂なおみ選手のコーチに選ばれたのでしょうか。
ジャーメインジェンキンスのプロフィールは?
ジャーメインジェンキンス氏は米国ジョージア州生まれの34歳。サウスカロライナ州のクレムゾン大でテニス選手として活躍し、2004年にはダブルスで、全米大学体育協会(NCAA)のMVPやオールアメリカンに選ばれました。
その後プロに転向しましたが、ツアー大会では芽が出ず、世界ランキング最高位は08年9月に記録した1386位にとどまり、現役を引退しました。
15年から昨年末までは、元世界ランキング1位のビーナス・ウィリアムズ選手(米国)の練習相手を務めていました。17年に同じくプロの現役を引退した弟のジャーマー氏は現在、「元女王」セリーナ・ウィリアムズ選手の(米国)の専属練習相手を務めており、ジェンキンス兄弟はウィリアムズ姉妹と関係が深いようです。(ちなみにジャーマー氏の前任練習相手がバイン氏という因縁も…)
そしてジャーメインジェンキンス氏は今年1月には、米国テニス協会の女子ナショナルコーチに選任されています。
ではなぜ、ジャーメインジェンキンス氏は大坂なおみ選手の新コーチに選ばれたのでしょうか。
https://www.instagram.com/p/BkqDDirDNot/
大坂なおみの新コーチになぜ選ばれた?
大坂なおみ選手はこのほど、自身のツイッターでジャーメインジェンキンス氏の新コーチ就任を報告。「チームと素晴らしい夕食会をしました。この場を借りて、ジャーメインに仲間入りしてくれたことを感謝します」とツイートしました。
そして大坂なおみ選手自身とアブドゥル・シラー・トレーニングコーチ、クリスティナ・スター理学療法士、ジェンキンス氏の4人が一緒に笑顔を見せる写真が添えられました。
大坂選手のメンタル面を大きく支え世界1位へ飛躍させた前任のバインコーチ。ジャーメインジェンキンス氏とは何かと共通点が多いようです。
二人とも選手時代は無名でまだ若い30代。指導歴でもバイン氏はセリーナ選手の練習相手を務め、ジェンキンス氏は姉ビーナス選手の練習相手でした。
そしてジャーメインジェンキンス氏が練習相手の間、09年のウィンブルドン準優勝以来、4大大会で決勝にさえ進めていなかったビーナス選手は、17年の全豪、ウィンブルドン準優勝と見事に復活。過去最高ランクへ達しています。これも大坂選手を急成長させたバイン氏の手腕とそっくりです。
憧れのウィリアムズ姉妹の足跡をなぞっているかのような大坂なおみ選手。もともと保守的な性格でもあり、コーチングでも急激な変化を望まなかったようです。
大坂選手はかねて新コーチの条件について「ポジティブな思考で、顔色をうかがうのではなく直接的にものを言ってくれる人」と指摘。テニスでの成功以上に「朝起きて、幸福感を持ってプレーをすること」を大事にしており、人選では性格的な相性を重視したのだろうと、メディアは報じています。
それに加えて、米国協会の女子ナショナルコーチというジェンキンス氏の経歴も、戦術や技術面での指導力への期待につながったとみられます。
Had a great dinner with the team ❤️ also taking this moment to thank Jermaine for joining us and coming on board lol 😊🙌 pic.twitter.com/OBpl5R7L2j
— NaomiOsaka大坂なおみ (@Naomi_Osaka_) 2019年2月28日
大坂なおみ新コーチに関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
コーチなしのドバイ選手権では動揺が明らかで格下相手にストレート負けし、「(私のコーチ契約解消が)今最も大きなテニスのニュース。良くない理由で人々からじろじろ見られているように感じる」とナーバスだった大坂選手。
昨季、初優勝したBNPパリバ・オープンまであと数日に迫る中、同大会でも早期敗退すれば世界1位の座も危うくなります。バインコーチが去って2週間後の迅速な新コーチ決定は「チームなおみ」体制再構築を急いだ結果だといえます。
とにかく形は出来ました。心身の安定を取り戻して、大坂選手がこれから存分に「女王」らしい戦いを見せてくれることを祈りたいものです。
■関連記事