ボクシング世界一トーナメントWBSS決勝、そしてWBA・IBF王座統一戦も兼ねる今年後半の世界的大注目マッチ、「井上尚弥vsノニト・ドネア」のバンタム級タイトル戦がいよいよ7日に近づきました。
予想オッズではかなり井上尚弥選手が優位とされるこの1戦。ファンの関心は早くも「次戦で尚弥は誰と戦うのか」に移っているようです。
やや気が早いものの、「ドネア後」の次戦で井上尚弥選手がまみえる相手を探ってみました。
井上尚弥の次戦対戦相手は?ドネア後を考える
権威あるリング誌「パウンド・フォー・パウンド」で、今や世界の重量級王者と並んで堂々の4位に位置する「モンスター」井上尚弥選手。
簡単に経歴を振り返ると、神奈川県生まれ・26歳の井上尚弥選手は、現トレーナーである父のもとで小学1年からボクシングを開始。高1でインターハイ・国体・選抜の三冠を達成するなどアマで活躍し、ロンドン五輪出場を逃したことを機にプロへ転向しました。
12年にデビューし、14年、当時日本男子最速となるプロ6戦目でWBCライトフライ級王座を獲得。同年の8戦目で、ナルバエス選手をわずか2RKOで下しWBOスーパーフライ級王座を奪取、瞬く間に2階級を制覇します。
7度の防衛後、18年にバンタム級に階級を上げ、マクドネル選手を1RでKOし3階級制覇に成功。その後のWBSSでのパヤノ、ロドリゲス選手の「瞬殺」は記憶に新しいところです。戦績は18戦無敗16KOです。
7日に井上選手がドネア選手を下すとバンタム級2団体統一王者に。では「ドネア後」の次戦はどこに向かうと考えられるのでしょうか。
WBSS BANTAMWEIGHT FINAL pic.twitter.com/kjTqUc5NG9
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) October 31, 2019
バンタム級に残るなら
「ドネア後」の次戦では、井上尚弥選手の現実的な選択肢としては(1)バンタム級で他団体王座獲得を目指す(2)階級を上げる―の2つが考えられます。
これはかねて本人が「バンタム級に上げて減量が楽になった」と話しているほか、ジムの大橋会長も「スーパーバンタムあたりが一番適正」としているためです。
バンタム級に残る場合、次戦はWBOかWBCのタイトルマッチの可能性が濃厚。WBO現王者はWBSSをケガで棄権したテテ選手です。WBC王者は、まさに7日、尚弥戦の直前に行われる「井上拓真vsウーバーリ」の勝者となります。
WBCでは、11月下旬に「ネリvsロドリゲス」という元王者同士の1戦が予定されており、その勝者が7日誕生する新王者の指名挑戦者となるのは確実。
このためWBCで王座戦線が〝決着〟するのは来春ごろとみられます。井上尚弥選手が早めの試合を望むならば、来年前半にも「WBO・WBA・IBF統一戦」も想定されそうです。
↓今年7月の「ネリvsパヤノ」戦
スーパーバンタム級なら
井上尚弥選手が「ドネア後」に階級を上げて4階級制覇を目指す考えであれば、次戦はただちに王者とのタイトル戦となるのは必至です。
ファンやメディアの間では、井上選手がスーパーバンタム級に移れば、ダニエル・ローマン選手とのマッチングの可能性が高いという声が聞かれます。ローマン選手が日本選手と縁が深いことも理由の一つです。
ローマン選手は米国出身の29歳。戦績は30戦27勝(10KO)2敗1分です。17年に京都で、当時WBAスーパーバンタム級王者の久保選手を9RTKO勝ちで下し王座を獲得。翌年には東京で松本選手を判定で破り初防衛しています。
今年4月にはIBF王者ドヘニー選手に判定勝ちし2団体統一王者になりました。今後のローマン選手の動向にもよりますが、井上選手との対戦が実現すればいきなり複数団体の王座をかけた1戦となり、大変注目されそうです。
↓18年、ローマン選手が2度目の防衛を果たしたフローレス戦
井上尚弥と将来誰が戦う?ネットの反応
出典:twitter
まとめ
井上尚弥選手はドネア戦を前に、海外メディアのインタビューに応じています。その際 「あなたの最大のモチベーションと、キャリアにおいての野心を聞かせてください」と「ドネア後」の展望を聞かれた尚弥選手は、次のように答えました。
「WBSS決勝は、これまでの自分のキャリアのなかで最大のハイライトです。この戦いは自分のキャリアの方向性を決断する重要な一戦になります。アリ・トロフィーを獲得したあと、自分にどんなキャリアが待っているのか楽しみでしかないです」
まずはドネア戦に集中し、勝利後に方向を考える、という尚弥選手。7日は試合そのものはもちろん、試合後のインタビューも見逃せ(聞き逃せ)ないですね。
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