世界から長く水をあけられてきた日本の高飛び込み競技で、期待の「超新星」が現れました。まだ12歳の玉井陸斗選手です。
このほど国内主要大会で史上最年少で優勝、「オリンピックで金メダルを取りたい」と臆することなく話す玉井陸斗選手。その強さや経歴をまとめました。
玉井陸斗の強さと経歴
東京オリンピックのスター候補に躍り出た、玉井陸斗選手の経歴を振り返ってみましょう。玉井選手は2006年、兵庫県宝塚市生まれの12歳。現在は兵庫県・高司中1年生です。
現在も所属するJSS宝塚で3歳から競泳を習っていましたが、小学1年の時に飛び込みの体験教室に参加し、面白さにはまり打ち込むようになったそうです。
昨年から難度の高い技に取り組むようになり、昨夏のジュニアオリンピック高飛び込みで優勝。今年シニアデビューを果たしました。そして4月、国際大会代表選考会を兼ねた日本室内選手権に出場。
高難度の技を次々成功させ、2位に大差を付ける合計474.25点で史上最年少の初優勝を果たしました。これにより玉井陸斗選手は、7月の世界選手権の代表選考基準を突破しましたが、国際水連の年齢制限により世界選手権に出場することはできません。ただ来夏の東京オリンピックには間に合います。
コーチなどによると、玉井選手の強さは空中で鋭く回る回転力と、高得点につながるしぶきを立てない「ノースプラッシュ」技術の高さ。
五輪メダリストに匹敵する大技「前宙返り4回半抱え型(109C)」などを組み込んだハイレベルの演技構成を、完成度高くこなせるといいます。
男子飛び込みのオリンピックの過去の記録は?
史上最年少で日本選手権を制覇した強さの玉井陸斗選手。まだシニア挑戦を始めたばかりの経歴ですが、東京オリンピックでの活躍に期待が高まります。
オリンピックでの男子高飛び込みは1904年のセントルイス大会から実施されている歴史ある競技ですが、残念ながら日本人はこれまで一度もメダルに手が届いていません。
これまでの金メダル総数は49個の米国が断トツ。40個の中国がそれに続きますが、近年は中国選手の躍進が目覚ましく、シドニー、アテネ、前回リオと中国が金を獲得しています。
玉井選手が得意の10m高飛び込みは採点競技で、演技内容の難度や、審査員による踏切り・空中姿勢・入水などの要素の評価を総合し、得点となります。
ちなみに前回リオ五輪で優勝した中国の陳選手の合計点は585.3点。ロンドン五輪金で、リオでは銅だったボウディア選手(米)も525.25点でした。
玉井選手の4月の日本選手権得点は474点。大会によって採点基準などが異なるとはいえ、五輪メダルのレベルとはまだかなり開きがあるようです。ただ体が成長途上の玉井選手だけに、1年余り後の東京オリンピックまでには大きくランクアップすることも期待されます。
【五輪へ「超新星」12歳の挑戦】https://t.co/ukUTBeV0QZ
飛び込み界に「超新星」が現れた。中学1年、玉井陸斗選手だ。初出場した4月の日本室内選手権男子高飛び込みで史上最年少優勝。13歳10カ月で迎える東京五輪に出場すれば、日本男子最年少出場を更新するという。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 8, 2019
玉井陸斗に関するネットの評価
出典:ヤフコメ
まとめ
6月にシニアで初めてスペインでの国際大会に出場した玉井選手。時差や1日で予選から決勝までを戦う初めての経験に疲れも出たのか、決勝では4位とわずかに表彰台に届かず、思わず悔し涙を流しました。
それでも「日本飛び込み界のレジェンド」馬淵コーチは「目標は決勝進出だったので大きな成果」と評価。
玉井選手について「体幹がしっかりしていて体のラインがいい。手が長いなど天性のものがないと、点も出ない。精神的にもタフで、あの子の可能性は無限大です」と手放しに褒めています。
現在の〝最強中国軍団〟を脅かす日本の「秘密へーき」玉井選手。五輪最終予選となる来年4月のW杯を勝ち抜いて、日本悲願の五輪メダルへ突き進んでほしいものです。