インターネットTVの「AbemaTV」が5月、放送開始3周年を記念した特別番組「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」を放送します。
キックボクシング界の「神童」と呼ばれ圧倒的実力の那須川選手に、ボクシングで挑む異色企画。このほど応募が始まった挑戦者の顔ぶれの中に、何と元世界王者テーパリットゴーキャットジム氏が含まれていることが分かりました。
テーパリットゴーキャットジム氏の戦績や強さは?那須川選手、果たして勝てるのでしょうか?
テーパリットゴーキャットジムの戦績と強さ
テーパリットゴーキャットジム氏はタイ出身の30歳。ムエタイから2008年にボクシングに転向し、フライ級で戦績を重ねた後、11年5月に、WBA世界スーパーフライ級暫定王者フランシスコ選手(フィリピン)に世界初挑戦。王者からプロ初ダウンを奪うなど圧倒し3-0の判定勝ちで王座を獲得しました。
テーパリット氏の戦績で日本のファンにも馴染み深いのは、同年12月に大阪で行われた亀田大毅選手との初防衛戦でしょう。やはり序盤からジャブや有効打で圧倒し、3-0の判定勝ちで防衛に成功しました。
その後も2度防衛を重ねましたが、12年に河野洋平選手と対戦して4回に3度ダウンを奪われ、初のKO負けを喫し、王座から陥落。プロ戦績は34勝(21KO)3敗でした。
テーパリットゴーキャットジム氏は16年3月を最後に試合はなく、現在は大阪でトレーナーとして活動するなどほぼ引退状態になっているようです。
今日のオーディションで
スパーリングしたくなかったランキング
ベスト33位テーパリット 元WBA世界王者
2位松本さん 元日本ランカー
1位細川さん 元世界ランカー
ほんま運持ってるわw pic.twitter.com/rmMhQvc2GD
— 中村優也 Yuya Nakamura (@yuya_boxer) April 13, 2019
那須川天心は勝てるのか?
そんな凄い戦績と強さを誇ったテーパリットゴーキャットジム氏が、このほど那須川選手にボクシングで挑むAbemaTVの特別企画に応募し、ファンやメディアを驚かせました。
※日程未定※ 那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円 5月1日(水) 19:00 〜 22:00
無料で放送終了後7日間視聴できます Abemaプレミアムではその後も視聴できます:AbemaTV特設サイトより
この企画は、番組特別ボクシングルールの試合を行い、那須川選手に挑戦者が勝ったら1000万円の賞金をもらえるというもの。応募対象者は「18歳以上で心身ともに健康な男性」が条件で、プロでもアマでも、過去のボクシング経験の有無は不問というのが特徴です。
このため、これまでに前WBOアジアパシフィック、スーパーフェザー級王者の仲村正男氏や、元OPBF東洋太平洋、元日本スーパーウェルター級王者・細川貴之氏、元西日本新人王・村井勇希氏ら、高い実績のある“引退ボクサー”や、現役のフリーボクサーであるJBC非公認の元WBCアジアバンタム級王者・中村優也選手ら、数々の「腕に自信あり」の挑戦者が名乗りを上げています。
そして遂に元世界王者のテーパリット氏も参戦。このほど大阪で約20人の二次審査合格者によるスパーリングもあり、関係者によると「テーパリットは体が絞れていないので動きは重たかったが、やはりボクシングの巧さは際立っていた」そうです。
ボクシングセンスも高く、かねてからボクシング挑戦に意欲的な那須川選手ですが、昨年末の元世界王者メイウェザー選手とのエキシビションでは、大きな体重差もあり全く試合にならず一瞬でKO負け。
ファンの間では「いくら元選手、元王者とはいえプロボクサー相手では、さすがの天心も勝てないのでは?」という声がもっぱらのようですが…。
【イノベーション】亀田大毅を破った元WBA王者テーパリット「100%私が優勝する」https://t.co/2PuRFixY5p#イノベーション #キックボクシング #亀田大毅
— eFight(イーファイト)格闘技情報 (@efight_twit) December 11, 2018
ゴーキャットジムと那須川に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
日本のプロボクシングを統括するJBCはボクサーの他格闘技への出場を認めず、ライセンス剥奪の対象になるため、今回の「天心企画」にはJBC認定の現役ボクサーは参加できません。それでも「ボクシングをなめるな!」とばかりに有力者の参戦が相次いでいるようです。
以前にも亀田興毅氏らで行われた「○○に買ったら1000万円」企画。一種のバラエティ番組ではありますが、ルールが不明瞭で「ボクシングに対するリスペクトがない」など、格闘技ファンやメディアには眉をひそめる向きも多いようです。
那須川天心選手は夏秋にかけての重要なトーナメント戦の最中でもあり、TV局側には、少なくともキックボクシングとボクシング双方の名誉や価値に傷がつくことのないよう、配慮してほしいものです。
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