ボクシングWBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード選手(米)の2度目の防衛戦が、20日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われます。挑戦者は元WBA・IBF世界スーパーライト級王者のアミール・カーン選手(英)です。
クロフォード選手は、ボクシングの階級で「最も難度が高い」ともいわれるウェルター級でも際立つ強さのボクサー。その実力は現在PFP1位のロマチェンコ選手も認めるほどです。クロフォード選手の強さや戦績に迫りました。
クロフォードの戦績と強さとは
クロフォード選手は米ネブラスカ州オマハ生まれの31歳。185cmの非常に長いリーチと強いフィジカルを持ち味とするスイッチヒッターです。
アマチュア時代を経て2008年にプロへ転向。14年にWBOライト級で初めて世界王座を手にします。スーパーライト級に階級を上げて、15年にWBO王者となり2階級制覇を達成。16年にはWBC同級王者ポストル選手を判定で下し2団体統一王者となります。
そして17年、スーパーライト級で史上3人目の主要4団体王座統一に成功。さらにウェルター級に移り、18年6月、WBO王者ホーン選手を破り3階級制覇を成し遂げました。プロ戦績は34戦34勝(25KO)無敗という圧倒的な内容です。
ウェルター級タイトル戦で王座を奪ったホーン選手は、世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ選手を破ったこともあるもの凄い実力者でしたが、クロフォード選手は序盤から試合を支配。ほぼノーダメージのまま一方的に叩きのめす強さで、9回TKO勝ちを収めました。
クロフォード選手はアマ時代には現ライト級王者のマイキー・ガルシア選手を破ったことも。現在、ボクシングメディアの世界的権威「ザ・リング」が認定する全階級仮想ランキング「パウンド・フォー・パウンド」(PFP)で、2位に位置する「ボクシング界ほぼ最強」ともいえるファイターです。
ロマチェンコもその凄さを認めていた
3階級制覇と4団体統一を無傷で成し遂げた戦績と強さで、現在の「世界最強ボクサーの一人」の呼び声も高いクロフォード選手。
ザ・リングのPFPでは、現時点では3階級制覇王者でライト級2団体統一王者のロマチェンコ選手(ウクライナ)が1位に君臨していますが、そのロマチェンコ選手さえも強さでは一目置いているようです。
最近ロマチェンコ選手が自分が考えるPFPランキングを挙げたところ、次のようになったそうです。
5位 ライト級2団体王者マイキー・ガルシア(アメリカ)
4位 ヘビー級2団体王者アンソニー・ジョシュア(カザフスタン)
3位 クルーザー級王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
2位 ミドル級・Sミドル級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
1位 ウェルター級王者テレンス・クロフォード(アメリカ)
ランクにはロマチェンコ選手自身が入っていませんが、その理由についてロマチェンコ選手は「自分を入れていないのは、ランキングの彼らが、私自身がどの位置にいるか知っているからだ」と笑いながらコメントしたそうで、つまりは「言うまでもなく1位の自分を除いて」という意味のようです。
ちなみに4月現在の本家「ザ・リング」版PFPは次の通りとなっています。
5位 IBFウェルター級王者エロール・スペンスJr(アメリカ)
4位 ウシク
3位 アルバレス
2位 クロフォード
1位 ロマチェンコ
https://twitter.com/BTSportBoxing/status/1104130584488656896
クロフォードのネットの評価
出典:twitter
まとめ
クロフォード選手が防衛戦を迎えるウェルター級では、つい先日スペンスJr選手があのマイキー選手を下して王座を防衛したばかり。
同じく無敗のサーマン選手やパッキャオ選手も王座についており、まさに各団体が群雄割拠の状態。統一戦の期待が否が応でも高まります。
中量級では階級の上げ下げが頻繁なこともあり、まさにPFPランカー同士の夢の対決が、今後は実現するかもしれません。
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