テニスの全豪OPはいよいよ準々決勝に突入。23日は5時間超の〝死闘〟をくぐった錦織圭選手が、因縁の天敵ジョコビッチ選手と対戦します。
さて全豪は「波乱が多い大会」と呼ばれますが、大会3連覇を目指したBIG4フェデラー選手も4回戦で敗退。金星を挙げたのが若手の有望株・チチパス(シチパス)選手です。全豪では22日にベスト4一番乗りという大躍進を遂げました。イケメンで大の日本びいきと、日本人にもファンが多いチチパス選手。その魅力を探りました。
チチパスが日本人に好意的な理由
ステファノス・チチパス(シチパス)選手はギリシャ・アテネ出身の20歳。母は旧ソ連のトップテニス選手、祖父も旧ソ連で五輪金メダルをとったサッカー選手とアスリート一家に育ちました。
2015年にプロデビュー。193cmの長身を生かしたダイナミックなショットを武器に、昨季初めてストックホルムOPでツアー優勝を果たし、ATPの「MIP賞(最も躍進した選手)」に選ばれたホープです。
昨季はジョコビッチ、ズベレフ選手らトップランカーを破るなど快進撃で、世界ランクも年初の91位から自己最高の15位まで急上昇させました。対戦した錦織選手も「(若いのに)どっしり落ち着いている」と感心していました。
そんなチチパス選手は大の親日家でもあります。伯母の夫が日本人で、ハーフである従姉妹とも仲良しだそうです。その影響からか幼い頃から日本の漫画やアニメに親しみ、好きなアニメは「キャプテン翼」、お気に入りキャラは「NARUTOのはたけカカシ」とか。
楽天OPで来日した際には、会見で「すてふぁのす」と自分の名前を毛筆の平仮名書きで披露したり、ダニエル太郎選手に勝利後はカメラに「オウエン・アリガトー、ミナサン・サイコー」とローマ字でサイン。
日本人の礼節や文化に興味があり、自身「東京は第二の故郷」と公言。楽天OP後も「この美しい国がとても恋しくなるね!日本のホスピタリティはグレートだった。来年また来るのが待ちきれない」とツイートしていました。
https://twitter.com/StefTsitsipas/status/1047416248412205057
錦織との対戦成績
親日家で日本人ファンを惹きつける実力と魅力のチチパス(シチパス)選手。われらがエースの錦織圭選手とは過去、昨季の楽天OPで一度だけ対戦し、成績は以下の通りでした。
・2018年10月 楽天ジャパンOP
<男子シングルス準々決勝> 錦織 2(6-3、6-3)0 チチパス
この時は28歳の先輩・錦織選手が貫禄を示して完勝。錦織選手自身、反省点は「唯一ブレークを許した第1セットのみ。てこずる場面がなかった」というほどの会心の試合でした。
今後脅威となる存在?
しかしチチパス(シチパス)選手は、楽天OP直後のストックホルムOPでツアー初優勝するなど、昨季は総じて好調を維持。そして今回の全豪でも勢いは増しています。
順調に勝ち進むと、4回戦では「6歳からの憧れの人」というBIG4フェデラー選手と対戦。4時間近い息詰まる打ち合いで勝負強さを発揮してフェデラー選手を下し、4大大会でギリシャ勢初の8強入りを決めます。
さらに準々決勝でも、BIG4マリー選手や昨年準優勝のチリッチ選手を破ってきた実力高いバウティスタ選手を、初対戦ながら切れのある片手バックハンドなどの強打で押し切り、またまたギリシャ初のGSベスト4を達成。試合後はさすがに「まるでおとぎ話。夢の中を生きているようだ」と興奮気味でした。
16強段階で最年少のチチパス選手には、フェデラー選手も「長い目で見て確実に上にいける選手」と高評価を与えています。
日本人期待の錦織選手と今大会で再戦するとすれば決勝ですが、それには二人とも「BIG4」の壁を超えねばなりません。錦織選手は準々決勝でジョコビッチ選手、チチパス選手は24日の準決勝でナダル選手と戦うからです。
20歳の若さでこれら世界のトップと並ぶ位置まで到達したチチパス選手。今シーズン以降も、上位選手の脅威となるのは間違いないでしょう。
チチパスに関するネットの評価
出典:twitter
まとめ
自身のプロフィールにも「マイアイドル」と記すフェデラー選手を一度もブレークさせずに破り、思わず感極まって涙したチチパス選手。思えば昨季、大坂なおみ選手もチチパス選手と同じ20歳で、やはり幼い頃から憧れのセレーナ選手を2度も破りました。世代交代の若い力がいよいよ台頭し始めたテニス界。今後が一層楽しみです。
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