ボクシング世界最速の3階級制覇王者で、現在「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」最強のロマチェンコ選手(ウクライナ)とルークキャンベル選手(英国)の世界ライト級3団体統一タイトルマッチが、日本時間の31日、ロンドンで行われます。
挑戦者のルークキャンベル選手とは?その戦績や強さ、ロマチェンコ選手を苦しめる可能性はあるのかを探りました。
ルークキャンベルの戦績と強さ
〝世界最強ボクサー〟ロマチェンコ選手に挑むルークキャンベル選手は、英国生まれの31歳。サウスポースタイルです。
ルークキャンベル選手はアマチュアでキャリアをスタート。08年に欧州選手権で優勝する強さで頭角を現します。そして12年、母国開催のロンドン五輪に出場。
バンタム級準決勝で日本の清水聡選手を下し、決勝ではアイルランド選手を破って金メダルを獲得します。ちなみに同じロンドン五輪のライト級金メダリストがロマチェンコ選手でした。
五輪後の13年にプロに転向。WBCのシルバー王座やコモンウェルス王座を獲得後、17年に初めて世界タイトルに挑戦します。
ただこの時は、WBA世界ライト級王者ホルヘ・リナレス選手と戦い、前半ダウンを奪われ後半追い上げますが、判定負け。
その後は現在まで3連勝中で、プロ戦績は20勝(16KO)2敗となっています。「ザ・リング」のPFPでもライト級1位にランクされている実力者でもあります。(8月に見たら2位になっていました。)

HEAD TO HEAD! 💪 @VasylLomachenko & @luke11campbell - 2 Olympic gold medalists battling it out for 3 world titles
📺 Lomachenko v Campbell is LIVE on Sky Sports Box Office on August 31st pic.twitter.com/IF3iTpwHTz
— Sky Sports Boxing (@SkySportsBoxing) 2019年7月20日
ロマチェンコを苦しめる可能性・予想は?
奇しくも「五輪金メダリスト同士」、またサウスポー同士の対決となるロマチェンコvsルークキャンベル戦。
この1戦は、ロマチェンコ選手にとってWBA王座の3度目、WBO王座の2度目の防衛戦であると同時に、WBC世界ライト級王座決定戦でもあり「3団体の統一タイトル戦」となります。
「ハイテック(高性能マシン)」の愛称通り、精密機械並みの正確なパンチと多彩なテクニックで勝利を重ねるロマチェンコ選手。
プロ戦績は13勝(10KO)1敗、アマ時代にも400戦近く行ってわずか1敗しかしなかった圧倒的強さを誇ります。
このPFP・No1ボクサーを果たしてルークキャンベル選手は苦しめることができるのでしょうか。
キャンベル選手のトレーナーは「ルークはサイズ、衝撃強度で利点がある。距離の取り方やディフェンスも非常にうまい」と強調。
175cmのルークキャンベル選手に対し、169cmのロマチェンコ選手という身長差や、10cm以上キャンベル選手が長いリーチなどを生かせば十分勝機はあるとし、「ルークは過小評価されている。まだ最高の状態に達していない」とも指摘します。
ただ、ファンの見立てはロマチェンコ選手がかなり優位な様子。英国ブックメーカー「William hill」の最新オッズでは「1.06:9.0」と圧倒的な差でロマチェンコ選手勝利の予想となっています。
https://twitter.com/luke11campbell/status/1160552606420353026
ルークキャンベルvsロマチェンコのネットの予想





出典:twitter
まとめ
今回の3団体統一選は少し異色の経過をたどりました。ロマチェンコ陣営はかねて、マイキー・ガルシア選手の王座返上により空位になったWBCライト級王座決定戦に出場したいと要望。
WBCはこれを承認し、現在のWBC1位のキャンベル選手と王座決定戦を行うように指令した経緯があります。関係者によると「WBCが他団体王者に王座決定戦を指令するのは異例中の異例」だそうで、一部には「スーパースター優遇」との批判の声も。
ただキャンベル選手側は、一気に3つのベルトを得られる大チャンス到来とあって意欲満々の様子。7年越しの金メダリスト決戦、今度はどちらが「世界一」に輝くでしょうか。
