開幕から2か月ほどが過ぎ、熱戦続くNPBとMLB。そんな中、日米野球界が驚くニュースが飛び込んできました。
昨年のMLBドラフト1巡目指名を受けた〝超エリート右腕〟カータースチュワート投手が、何とMLBを蹴ってNPBの福岡ソフトバンクホークスに入団を決めたというのです!!
今までは「日本の若い才能が米へ挑戦」という図式が常識でしたが、まさかの逆パターン。そのメジャードラ1大物新人「カータースチュワート」とは?なぜ日本を選んだのでしょうか?同投手の球種や実力も調べてみました。
カータースチュワートとは?球種や成績
このニュース、米球界でも相当衝撃だったようです。最初に伝えたのが米スポーツメディア「ジ・アスレティック」名物記者のツイッター。さらに他の米紙なども次々と報じ、驚きを見せました。
これを受けて日本のメディア各社が「カータースチュワートとは?入団は間違いないのか」とソフトバンクに確認したところ、球団は否定せず、一斉に「ほぼ合意」と報じる形になりました。
カータースチュワート投手は米フロリダ州出身。地元高校を昨年卒業し、現在はイースタン・フロリダ州短大に在学中のまだ19歳。
最速98マイル(約158km/h)の剛速球と140km/h前後の縦割れカーブの主に2球種を武器に、高校最後の年は61回を投げ6勝4敗、防御率0.91、128奪三振というかなりの好成績を挙げました。
MLBでも最注目投手の1人として、昨年のMLBドラフト会議で1巡目(全体8位)という超上位でアトランタ・ブレーブスから指名を受けました。
カータースチュワートはなぜ日本に来たのか?
カータースチュワートがなぜ日本を選んだのか、それはこの後の事件で分かります。
ところがその後の身体検査で手首に懸念が判明したとの理由で、約450万㌦(約4億9500万円)と予想されていた契約金が200万㌦程に減額提示されたといわれ、不服としたスチュワート投手側と契約に至らなかったそうです。
今年のMLBドラフトでももちろん上位指名候補でしたが、急転直下、日本プロ野球のソフトバンクと正式合意目前といわれるカータースチュワート投手。既に今月極秘来日し、福岡県の球団施設の見学などを行ったとの報道もあります。
カータースチュワートの実力はどこまで通用する?
日本のファンも「カータースチュワートとは?」「そんな凄い新人がなぜ日本に?」とざわつくこのニュース。
気になるのはカータースチュワート投手の球種や実力が、NPBでもどこまで通用するかです。この点、昨年のドラフト時に米メディアは、スチュワート投手の縦割れカーブが特に切れ味が鋭いと評しています。
例えば同じ「ドラ1」エリートでサイヤング賞も受賞したポーセロ、バーランダーといったメジャートップ投手のカーブと比べても、回転数が200回転以上多い3000回転超もあるとされます。
エリート新人とはいえ、MLBではNPBのように1年目から1軍マウンドに立つことはなく、数年間はマイナーで下積みするのが通例。
ソフトバンクはこれまでもスアレス、モイネロ投手ら無名の若手投手を海外で「発掘」し、一流に育成した実績があり、マイナーより充実したソフトバンクのファーム施設や育成システムの方が成長につながる、との判断がスチュワート投手側にあった可能性もあります。
もちろん、契約金も一説にはソフトバンクが700万㌦という超高額を用意したといわれ、待遇面でも不足はないようです。
カータースチュワートへのネットの評価
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190521-05211045-nksports-base
まとめ
長いNPBの歴史でも、米のドラフト対象アマ選手を直接獲得するのは極めて異例。社会人の田沢純一、吉川峻平投手らがNPBを経ずMLB挑戦したり、菊池雄星、大谷翔平選手ら、当初はいきなりのメジャー入りを目指そうとした高卒選手もいるなど、「日→米コース」がこれまでの常識だったからです。
今回のスチュワート投手のNPB入りには敏腕代理人の力も背景にあるようですが、今後もこうした事例が一般化するのか、あるいはまた、スチュワート投手が無事日本で成功できるのか。世界の野球界が注視するケースとなるのは間違いなさそうです。
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