「無許可輸出摘発」リストが公開され、戦略物資フッ化水素横流し疑惑が広がっています。
貿易問題どころではなくなった韓国は今後どうなるのでしょう?
戦略物資とは?
戦略物資とは、工業国家が戦争の遂行,あるいは戦争能力を支えるのに必要な基本的工業用原料のことで、金,プラチナ,チタン,石油,鉄鉱石,屑鉄,ニッケル,スズ,アンチモン,ゴムなど多種多様ですが、フッ化水素もこれに該当します。
フッ化水素は日本政府が輸出管理優遇措置を撤廃した3品目の1つで、集積回路やディスプレイ製造過程における洗浄剤として使用されるハイテク産業を支える重要な物質ですが、ウラン濃縮や毒ガスの原料としても用いられます。
フッ化水素は、例えば、北朝鮮の金正男暗殺の際に使用された神経剤VXの製造過程で精製用に使用されるほか、毒ガスサリンの原料でもあります。
FNNが報道し、後に韓国政府が認めた韓国政府作成の「戦略物資無許可輸出摘発現況」リストによると、2015年から2019年3月にかけ、戦略物資が韓国から流出した不正輸出案件は、156件にのぼります。
このうち、フッ化水素酸(フッ化水素の水溶液)に関しては、2017年12月にベトナム向け、今年1月にアラブ首長国連邦向けの不正輸出が摘発されています(韓国政府は日本製でないと主張しています)。
韓国政府は、日本メディアの後追いの発表で、「輸出管理が効果的に運営されている証拠だ」「摘発されたフッ化水素の原産地は日本ではなく韓国や中国だ」として、「最近、日本製フッ化水素が韓国を経て不正輸出されたことはない」と主張しています。
戦略物資のフッ化水素横流し疑惑の韓国の今後は?
「韓日戦略物資会議は韓国側の拒否によりこの3年間開かれていない」という日本の主張に対しても、当初韓国政府は「日本側の責任者が空席」であったことを理由として挙げていましたが、経済産業省の石川正樹貿易経済協力局長が2017年から今月5日まで在職していたと日本側が反論すると、韓国産業部は「勘違いだった」と釈明しています。
韓国側の主張が信頼性に欠ける事案が次々と表面化しています。
「戦略物資無許可輸出摘発状況」リストによれば、
2015年 14件、2016年 22件、2017年 48件、2018年41件、2019年は1~3月で31件の不正輸出が発生しています。
ここ数年大きく増加しており、特に2017年5月の文在寅大統領就任後で発生件数が、年平均約18件から60件と3倍近くに急増しています。
これらから、韓国政府の「輸出管理が効果的に運営されている証拠だ」との説明がそのまま受け入れられる可能性は小さく、今後新たな事実が明るみに出る可能性もあります。
韓国政府がこの問題の対応に苦慮することが続くのではないでしょうか?
戦略物資横流しに関するネットの反応
貿易どうこうどころか国際的に安全保障違反事案
Whiteに戻すどころではなくなったね。
それを今まで相手が友好国だからと見逃してきたのなら、日本政府も同罪に当たると思う。
このリストが「輸出管理が効果的に運営されている証拠だ」と思うひと誰一人いません。
まとめ
戦略物資フッ化水素横流し疑惑の韓国の対応と今後どうなるかを推測してみました。
韓国政府の対応はいかにも稚拙です。
もし、日本政府の輸出制裁強化を予測していたなら、
・2年ごとの韓日戦略物資会議をきちんと開催しておく。
・「戦略物資無許可輸出摘発現況」を定期的に発表し、管理が以前からきちんと行われていることを前もって公表、主張する。
など、いくらでも打つ手はあったのではないでしょうか。
常に指摘されて後出しするのは、何か裏にあるのではと勘ぐられてしまいます。
これまでの政権で在籍していた、勤勉で実務に優れた官僚たちが文在寅政権で排除された結果かもしれません。
「北朝鮮への流出がなかった」と証明するのは、「あった」との証拠を示すのに、比べてはるかに困難なことです。
この問題一つでも、真綿で首を絞めるように、今後もずっと文在寅権を苦しめてゆくように思えます。
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