ボクシングの3階級王者・井岡一翔選手の約2年ぶりの国内復帰世界戦が19日に迫りました。WBOスーパーフライ級1位パリクテ選手(フィリピン)と、千葉市で同級王座決定戦に臨みます。
17年末に一度現役引退を表明しながらまもなく現役復帰した井岡一翔選手。次戦は勝てば日本人初の4階級制覇となる、ボクサー人生を賭けた1戦となりますが、そもそもなぜ井岡選手は突然引退したり、すぐ復帰したりしたのでしょうか。その理由に迫りました。
井岡一翔が一度引退したのはなぜ?
30歳を迎えた井岡一翔選手。ミニマム・ライトフライ・フライ級を制覇した3階級世界王者で、戦績は25戦23勝(13KO)2敗です。
17年4月にフライ級5度目の防衛を果たし、具志堅用高氏に並ぶ世界戦通算14勝という日本記録を達成するなど、絶頂期に思われたこの年の暮れ、井岡選手は突然引退を表明します。
会見で理由について「ボクシングを始めたきっかけの3階級制覇の夢をかなえた時に引退しようと思っていた」と表明。ただ「防衛していく中でさらなる目標を見つけたので」とも述べ、メディアやファンの間では「不可解な引退」との印象もありました。
真の引退理由については様々な推測があります。当時所属していたジム会長の父一法氏によれば、井岡一翔選手が、17年5月に結婚して東京に引っ越し、大阪にあるジムと遠距離になったこともあり「プライベートの時間を大切にしたい」との意向を示したといいます。
一方で、父子の〝確執〟が理由との見方も。井岡選手はフライ級当時、ジムのマッチメイクに不満を持っていたとも言われ、海外などでより強い相手との試合を望んでいたともされます。
6度目の防衛戦が計画されていた大晦日直前の17年11月、突如一法氏が単独会見し「結婚後十分練習が積めない。モチベーションがなければ引退も仕方ない」と、階級変更でもないのにフライ級王座を返上したことも「確執説」を強めました。
では井岡選手はその後なぜ、またすぐに現役復帰したのでしょうか。
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井岡一翔は引退してすぐ復帰したのはなぜ?
17年末に電撃引退を表明した井岡一翔選手でしたが、それからわずか半年余り後、現役復帰を発表しました。
それはなぜだったのでしょうか。井岡選手はJBCに引退届を出したため日本では試合ができず、米プロモーターと契約し、スーパーフライ級に1階級上げて米で試合を行うと表明しました。
井岡選手によると「引退時点では全然復帰は考えてなかった」ものの、米でボクシングイベント「スーパーフライ2」を観戦した時に、米側から出場の打診を受け「新たな環境で新たに挑戦したい」と決意したそうです。
やはり「海外で強い相手と戦い、さらに上を目指す」という思いがその根底にあったのでしょうか。
井岡一翔の今後どうなる?
「なぜ電撃引退→早期復帰?」とファンをざわつかせた井岡一翔選手ですが、ついに国内世界戦という「完全復帰」のリングに立ちます。
もし19日に勝てば、日本人初の4階級制覇の偉業。その後は団体統一戦や、さらに上のバンタム級で5階級制覇を狙う、との見方もあります。
しかし負ければ、2戦連続で4階級目の世界挑戦に失敗することに。試合内容にもよりますが、早い回でのKO負けなどとなると「井岡劣化説」が拡大する恐れもありそうです。
井岡一翔「過去一番の仕上がり」 ラスベガス合宿で短髪にイメチェン…世界4階級制覇再挑戦 https://t.co/nQYxRGMxgQ
— スポーツ報知 (@SportsHochi) June 5, 2019
井岡一翔に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
井岡選手は、憧れる6階級王者オスカー・デ・ラ・ホーヤのように、高い防御技術と試合勘を研ぎ澄ました一気の攻撃という「攻防一体の超攻撃型」が理想だそうです。
ハイパワーとスピードの井上尚弥選手とはまた違った、ボクシングの醍醐味を感じさせるスタイル。ぜひ「全霊を賭けた1戦」に勝って、次のステージでも「井岡ワールド」を見せてほしいと思います。