「平成最後」となる春の甲子園、第91回センバツ高校野球大会の出場校32校が決まりました。しかし、プロ入りした根尾・藤原選手らスター軍団を擁して昨年の甲子園を春夏連覇し、センバツも2連覇中と圧倒的強さを誇った大阪桐蔭は今回選出されませんでした。
なぜ大阪桐蔭は選ばれなかったのでしょうか。その理由を、センバツの選び方の基本とともに探ってみました。
センバツの選び方を分かりやすく解説
今年の春のセンバツ甲子園は3月23日に開幕します。その出場校を決める選考委員会がこのほど大阪市で開かれました。91回大会は一般選考が28校(内訳は北海道1、東北2、関東・東京6、東海2、北信越2、近畿6、中国・四国5、九州4)、21世紀枠が3校、明治神宮大会枠が1校(北海道地区)です。
センバツ大会の特徴は、夏の甲子園が各都道府県予選の優勝校が機械的に代表になるのと異なり、有識者で構成する選考委員会が総合的に実力を吟味して選ぶ点です。
主催者の日本高野連によると、その選び方の基準は「前年の夏の甲子園以降11月30日までの試合実績を勘案するが、勝敗のみにはこだわらない」「秋の地区大会は一つの参考であってセンバツの予選ではない」「推薦された候補校の中から地域的な面も加味して選考する」などとなっています。
高校野球は夏の甲子園が終わると3年生が引退し、1・2年生での新チームとなります。その新チームで戦う最初の公式戦が各地区の秋季大会。センバツ出場校選びではこの秋季大会が最も重視されますが、「選び方基準」に掲げられたように「優勝校=出場校」ではないのが建前です。
ただ現実には秋季大会の上位校が順当に選ばれているのが実情。91回大会も各地区大会の優勝、準優勝校(例えば北海道の札幌大谷、東海の東邦など)がまず最初に決まっています。
関東・東京、近畿など枠が多い地区は、5校目・6校目は必ずしも成績上位校でないこともあり、ここは「センバツ」ならではの特徴といえます。
今回も、関東・東京ではまず関東大会ベスト4と東京大会優勝校の計5校を選出。しかし最後の6校目は、何と関東大会で2回戦コールド負けした横浜高校が選ばれました。選考委は、150km台を投げる横浜のエース及川投手を高く評価し「負けた印象を上回る期待感がある」と理由を説明しました。
では、これまで高校野球界であれほどの強さを誇った大阪桐蔭が、今回選に漏れたのはなぜなのでしょうか。
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— 毎日新聞 (@mainichi) January 25, 2019
2019大阪桐蔭はなぜ選ばれなかった
根尾、藤原選手らが在籍当時は無敵を誇った大阪桐蔭。それが91回センバツ大会では「補欠」となってしまい、ファンを驚かせました。なぜ大阪桐蔭は選ばれなかったのか。それはやはり前述したようなセンバツならではの総合的な選び方が要因です。
選考委によると、近畿ではまず近畿大会ベスト4の高校が選ばれ、残り2枠は8強の4校を比較。そのうち、京都大会優勝が決め手となって福知山成美が5校目となり、最後の6枠目は市和歌山と大阪桐蔭が比較検討されました。
その結果、試合内容で市和歌山が上回ると判断。大阪桐蔭は昨秋、府大会決勝で敗れ公式戦連勝が36で止まり、近畿大会でも智弁和歌山戦で序盤大量失点するなど精彩を欠いていました。
選考委は大阪桐蔭について「個々の能力は高いが、昨夏の甲子園優勝もあって新チームの始動が遅く、完成度でやや見劣りした」と理由を説明しています。
【高校野球】“ダブル3連覇”に届かず 大阪桐蔭・中野主将「夏に悔しさ晴らせるように」#高校野球https://t.co/dCBbkg6lwY
— Full-Count (@Fullcountc2) January 25, 2019
#センバツ出場 を喜ぶ写真が続々と届いています。3年ぶり6回目の出場を果たした #市和歌山 の選手たち。学舎の前でガッツポーズです。写真特集https://t.co/09GrRAL69K を更新しております#第91回選抜高校野球大会 #センバツ高校野球 #センバツ pic.twitter.com/kTG8QYlqeD
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) January 25, 2019
センバツ2019に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
大阪桐蔭の、史上初センバツ3連覇と3季連続甲子園優勝という偉業は夢と消えました。選考委は「寂しいと言うファンが多いかもしれないが、校名や集客力などを考えては公正な選考はできない」とキッパリ。
大阪桐蔭の1、2年生にとっては、甲子園出場を逃したのは入学してから初めてです。初めて味わう屈辱でしょうが、夏に悔しさを晴らせるようこれをバネにしてほしいものです。
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