20日に日本でのマリナーズvsアスレチックス戦で開幕した今季のMLB。大谷選手が所属するエンゼルスなど、この2チーム以外の28球団は日本時間の今月29日、一斉に初戦を迎えます。
そのエンゼルスの「顔」といえば、大谷選手も心酔する「メジャー現役No1野手」のスーパースター、マイク・トラウト選手。
トラウト選手はこのほど北米史上最高額の契約を結び世界を驚かせました。MLBのスーパースターといえばA・ロッド選手を思い出しますが、トラウト選手と比較すると成績や契約金はどうなのでしょうか。二人の凄さを比較しながらまとめてみました。
トラウトの凄さとは?成績は?
日本がMLB開幕とイチロー選手凱旋で沸いた20日、エンゼルスはトラウト選手と2030年までの12年間総額4億2650万㌦(約473億円)という超絶な凄さの超大型契約を結んだと発表しました。
これは個人の契約としては北米プロスポーツ史上最高額です。もちろんMLBでも史上最高。米プロスポーツのスケールの大きさには圧倒されます。
これほどの契約を結ぶトラウト選手の凄さとはどこにあるのでしょうか。トラウト選手は米ニュージャージー州生まれの27歳。右投げ右打ちの外野手として、09年にエンゼルスからドラフト1巡目指名を受け入団しました。
11年シーズン途中にわずか19歳でメジャーデビュー。翌12年には史上最年少で新人初の「30本塁打・30盗塁」を達成しました。
瞬く間に長打力、巧打力、走力、守備力の全てがトップレベルなMLB屈指のスラッガーに成長し、これまでの現役わずか8年間で新人王、シルバースラッガー賞6回、 オールスターMVP2回、ア・リーグMVPを2回も受賞しています。
打撃でもこれまで毎年安定して好成績を残し、8年間1065試合で打率.307、240本塁打、1000安打以上を放ち、盗塁も既に189個記録しています。
ロッドと比較してみた
トラウト選手と同じ右投げ右打ちのスーパースラッガーといえば、ヤンキースなどに在籍したアレックス・ロドリゲス(A・ロッド)選手を思い出します。この二人の成績など凄さを比較してみました。
ロッド選手は75年NY生まれで現在43歳。93年に大学には行かずマリナーズからの全体1巡目1位指名を受けてMLB入り。94年にわずか18歳でメジャーデビューしました。
長打、打率、守備、肩など「5ツール」が揃った選手として、しかも負担の大きい遊撃手の希有なスラッガーとして急成長。96年には36本塁打、123打点。21歳という若さで首位打者、200安打以上などを記録しました。
23歳で100本塁打100盗塁を達成し、これは15年にトラウト選手に抜かれるまでMLB史上最年少記録でした。その後ロッド選手はレンジャーズ、ヤンキースと移籍。05年には20代で400本塁打を達成します。
首位打者1回、本塁打王5回、打点王2回、シルバースラッガー賞10回、ア・リーグMVP3回など数々のタイトルを獲得し、MLB記録も数多く達成。現役通算3115安打、696本塁打、329盗塁など輝かしい成績を残し、16年に引退しました。
ただ唯一のロッド選手の汚点は禁止薬物違反です。13年夏、禁止薬物の使用が発覚。MLBはロッド選手にポストシーズンを含む14年全シーズンの出場停止処分を下し、ロッド選手も受け入れました。
希代の名選手だけに、薬物違反は輝かしいキャリアの取り返しのつかない大きな傷に。野球殿堂入りは難しくなり、過去の大記録も「所詮薬物のおかげか」といった見方が拭えないなど、残念な結果をもらたしました。
トラウトのネットの評価
出典:twitter
まとめ
今オフのMLBはスーパースターが多くFAに出たため、史上最高を塗り替える超絶なFA契約が続出し話題となりました。まず2月にマチャド内野手がパドレスと契約。「10年3億㌦」でそれまでのロッド選手がヤンキース時代に結んだ「10年2億7500万㌦」を超え最高額になりました。
ところがマチャド選手は「三日天下」に。3月に入りハーパー外野手が「13年3億3000万㌦」で契約し、史上最高額を更新しました。しかしそのわずか数週間後にトラウト選手が再び記録を塗り替えたわけです。
トラウト選手は事実上の〝生涯契約〟。「ここがずっといたい場所」とコメントし、MLBでは珍しい「生涯エンゼルス一筋」となりそう。彼に必要な残る称号は「優勝」の栄冠だけです。
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