プロボクシング・クルーザー級の元4団体統一王者・ウシク選手のヘビー級転向初戦が13日、米シカゴで行われました。ウシク選手はWBO世界ヘビー級6位のウィザースプーン選手（米）を7Rまでの棄権で下し、無事ヘビー級で白星デビュー。
ワイルダー、ジョシュア選手らスーパースターの強豪が揃うヘビー級ですが、ウシク選手はどこまで通用するのか。現ヘビー級王者らと比較してみました。
=目次=
ウシクはヘビー級で通用するか？
オレクサンドル・ウシク選手はウクライナ出身、32歳のサウスポーボクサー。アマチュア時代にはロンドン五輪ヘビー級金、11年世界選手権金メダルなど輝かしい戦績を残しています。
13年にクルーザー級でプロに転向。16年、プロ10戦目でWBO王者グウォヴァツキ選手に挑んで判定勝ちし、王座を獲得。翌17年に、井上尚弥選手と同じWBSSトーナメントに参戦。18年7月、WBSSクルーザー級決勝でWBA・IBF統一王者ガシエフ選手と対戦。判定勝ちで史上4人目の4団体統一王者となりました。
プロ戦績は17戦無敗13KO。4団体統一後は一度防衛戦を行いましたが、その後「対戦相手がいない」状況となり、ヘビー級への転向を表明。初戦は、当初の対戦予定者が薬物違反で出場できず、急きょウィザースプーン選手に差し替えて行われました。
13日のこの試合でウシク選手は硬さがみられたものの、すぐにペースを掴み3R以降は相手をほぼ圧倒。ロープに詰めてスピードある連打を浴びせ、ダメージ蓄積で試合続行不能に追い込む完勝でした。
「ボクシング界の頂点」であるヘビー級で、ウシク選手はワイルダー選手ら並み居る実力者を倒して王座を獲得できるのか。次戦のマッチメイクが注目されます。
ワイルダーやジョシュアと体格を比較
クルーザー級無敵を誇り、満を持してヘビー級参戦したウシク選手。クルーザー級と同じように、果たして他の王者に勝てるのか。主な実力者と体格や戦績、「リング誌」のパウンド・フォー・パウンド（PFP＝階級・団体を超えた仮想ランク）を比較してみました。
オレクサンドル・ウシク
【主なタイトルと戦績】元クルーザー級4団体王者、17戦無敗13KO
【身長・リーチ】190cm、198cm
【PFP】全階級5位、クルーザー級リング王者
デオンテイ・ワイルダー
【主なタイトルと戦績】現WBCヘビー級王者、42戦41勝無敗（40KO）1分
【身長・リーチ】201cm、211cm
【PFP】ヘビー級2位
タイソン・フューリー
【主なタイトルと戦績】元WBA・IBF・WBOヘビー級スーパー王者、28戦27勝無敗（19KO）1分
【身長・リーチ】206cm、216cm
【PFP】ヘビー級1位
アンソニー・ジョシュア
【主なタイトルと戦績】元WBAスーパー・IBF・WBOヘビー級王者、23戦22勝（21KO）1敗
【身長・リーチ】198cm、208cm
【PFP】ヘビー級4位
The WBO Mandatory awaits his next opponent 😈#RuizJoshua2 pic.twitter.com/XCTOqz2iLB
— DAZN USA (@DAZN_USA) 2019年10月13日
ウシク×ヘビー級に関するネットの反応
出典：twitter
まとめ
世界ヘビー級といえば、今年6月、無敵を誇り4団体統一間近と思われたジョシュア選手が、伏兵のアンディ・ルイスJr選手から4度のダウンを奪われるなどまさかの7RTKO負け。持っていた3団体王座を一挙に失い「世紀の番狂わせ」と世界中が驚いたばかりです。
この試合も実は、元々の対戦相手が薬物検査に引っかかり、急きょ「代役」に立ったアンディ選手が一挙にシンデレラボーイになるという劇的展開でした。
ウシク選手は「代役」にも順当勝ちを収めましたが、今や「混沌・波乱のヘビー級」。まずは11月に行われる「ワイルダーvsオルティス2」戦と、12月の「アンディ・ルイスJr対ジョシュア2」戦の行方が最注目となりそうです。
