ボクシングWBA世界ミドル級スーパー・WBCミドル級王者で、3階級制覇王者のサウル〝カネロ〟アルバレス選手(メキシコ)と、 IBFミドル級王者ダニエル・ジェイコブス選手(米)の統一戦が、日本時間5月5日に米ラスベガスで行われます。
長らくPFP1位で「世界最強」の名をほしいままにしたゴロフキン選手を破り、スーパーミドル級にも進出して波に乗るカネロ選手と、米では実力人気ボクサーのジェイコブス選手との、ファン必見の一戦。
ジェイコブス選手の戦績や強さとは?展開予想などとともにまとめました。
ジェイコブス(ボクシング)の戦績
ジェイコブス選手は米ニューヨーク出身の32歳。アマボクシングで数年活躍した後、2007年にプロ転向。10年にWBOミドル級で初めて世界挑戦しますが、プロ初黒星となる5回TKO負けを喫します。
その後脊椎の骨肉腫という重病を患い、2年近く治療やブランクを余儀なくされる苦労ののち、14年にフレッチャー選手(豪)とWBA王座決定戦に臨み、5回TKO勝利で悲願の王者となります。
ジェイコブス選手の「戦績ハイライト」はゴロフキン選手との一戦でしょう。順調に4度の防衛を重ねる強さを見せた後、17年3月に、当時WBA・WBC・IBFミドル級スーパー王者のゴロフキン選手との統一戦に臨みました。
なぜかIBFで義務づけられている当日計量にジェイコブス選手が姿を現さず、IBF王座は除外する形で試合を開催。ジェイコブス選手は0-3の判定負けを喫し、WBA王座から陥落しました。
そして昨年10月、IBFミドル級1位のデレイビャンチェンコ選手との王座決定戦に判定で勝ち、再び王座に返り咲いた「苦労人」でもあります。プロ戦績は37戦35勝(29KO)2敗です。
ジェイコブスの強さとは?カネロに匹敵するか?
28歳のカネロ選手は、13年にメイウェザー選手に喫した唯一の敗戦以降、ゴロフキン選手との引き分けを挟み、戦績では現在9連勝中。昨年末にはWBAスーパーミドル級に階級を上げ、フィールディング選手を3R圧勝KOで下すなど、今やボクシング全階級ランクのPFPでも1位をうかがう強さを見せています。
カネロ選手はミドル級の中では小柄とされますが、強い体幹から繰り出す強打を武器とし、歴戦の実力者に勝つ中で巧さも身につけてきたといわれます。そんな絶好調のカネロ選手も、今回のジェイコブス選手は「過去最大の難敵の一人」になる、との見方が多いようです。
ジェイコブスは身長183cmでカネロ選手より10cm近く大柄。上下の打ち分けを加えたコンビネーションが多彩なほか、ディフェンス面も堅く、一気に間合いを詰めたり一気に離れるといったフィジカルにも強さがあるとされます。
ゴロフキン戦でも後半は劣勢を盛り返し、「ジェイコブスが勝っていた」との批評もあったほどのタフネスぶり。何度も挫折から返り咲いた「不屈の王者」だけに、非常にハイレベルな戦いが予想されます。
ジェイコブスに関するネットの評価
出典:twitter
まとめ
カネロ選手の母国メキシコでは、5月5日は愛国的なお祭りの日「シンコ・デ・マヨ」に当たり、4、5日の週末は特にメキシコ系移民が多いアメリカでは、感謝祭同様の大変なお祭り騒ぎになるそうです。
そのためこの週末には、伝統的にメキシコの人気ボクサーがビッグマッチを行うことが多いともいわれます。メキシコで英雄並みの人気選手カネロ選手が、米国の王者と聖地ラスベガスで戦う試合とあって、米・メキシコのボクシングファンは熱狂の一戦ともなりそうです。
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