想定外の韓国によるGSOMIA破棄発表に衝撃が走っています。
日本と韓国への影響を分かりやすく解説しました。韓国、中国、米国など海外の反応をまとめました。
=目次=
GSOMIA破棄の日本と韓国への影響を分かりやすく言うと?
韓国が日韓の軍事情報包括保護協定GSOMIAの破棄に踏み切ったことで、どんな影響が出るか考えてみましょう。
GSOMIAは日韓両国が、入手した独自の機密情報を互いに融通し、共に脅威に対抗する枠組みで、日韓それぞれが結ぶ米国との同盟関係を補完するため、米国の強い要請で2016年に結ばれた経緯があります。
今回の破棄で、日韓の軍事協力が全面的にストップするわけではありませんが、日韓に安全保障条約がない中で、日米韓の連携強化には不可欠な仕組みでした。
その結果、アジア全体の安全保障環境をも変化させかねない危険な判断であるともいえます。
具体的には、北朝鮮の最近の短距離ミサイル発射の、発射地点や到着地点のすみやかな解析に、米国の早期警戒システム、韓国の近い距離でのレーダーなどの情報、日本の自衛隊のミサイル航跡分析情報などを連携させて、効果を上げていました。
これが、核やミサイルの開発を続ける北朝鮮への抑止力にもなっていたと考えられますが、これの低下にもつながる恐れがあります。
GSOMIA日米韓の連携強化には不可欠なしくみで、一番の恐れは、これが、日米韓3ヵ国で、北朝鮮、中国、ロシアに対峙してきた枠組から韓国が抜けるターニングポイントになるのではということです。
最悪、在韓米軍の撤退、米韓同盟が消滅するということにでもなれば、日本にとっては、対馬が国防の「最前線」となる事態にも陥ります。
日本へのメリットデメリットまとめ
韓国からの軍事情報などなくても、何の影響もないとのコメントもありますが、日本へのデメリットはあっても、メリットがあるとは考えられません。
中国、ロシア、北朝鮮につけ入る隙を与える
日韓対立を見た中国、ロシア、北朝鮮がこの隙をついて、3か国の同盟を破壊しようと画策を始めています。
実際、最近中ロが日本海上空で合同演習を実施したり、ロシア軍機が日韓が領有権を主張する竹島周辺の領空を侵犯したりしています。
北朝鮮もミサイルを初め、この機に乗じて日米韓関係にくさびを打ってくる可能性があります。
日韓関係のますますの悪化
日韓の摩擦がますます激しさを増し、当面解決することが困難になりました。
文在寅大統領の反日のトーンを抑えた最近の演説などで、話し合いに入る可能性が取りざたされてきましたが、またこの機運は遠のきました。
日韓対立により、被害が大きいのは韓国だと言っても、日本が無傷でいられるはずはありません。
日本から見て不合理、非常識と言っても実際、訪日韓国人観光客は減り、韓国での売り上げは落ちています。
解決が遠のくほど、ダメージは積み重なってゆきます。
半導体分野でも、日本の技術を韓国は自主開発などできるはずがないという話ですが、3年経てば、それこそ日本の技術者を引き抜いても、韓国が自国開発を全くやれないとは断言できないのではないでしょうか?
そうなれば日本のこの分野での影響力は大いに低下します。
GSOMIA破棄の海外の反応
朝鮮日報(韓国保守系)
朝中露の脅威が増しているなかで、韓米日安保体制そのものが揺らぐことになるだろうとの懸念が高まっている。
元外交部次官「韓米日安保協力の終了に向けた序幕へ、我々は自ら戻ることのできないルビコン川を渡ったものだ」
ハンギョレ新聞社(韓国革新系)
慰安婦や強制徴用問題を言及しないなど、外交的解決に向けた努力を傾けたにもかかわらず、日本政府の態度変化がなかった点が決定的要因として作用したとして、判断を支持し、本大使館前で安倍糾弾市民行動のメンバーがこれを歓迎するろうそく集会に先立ち、明るい表情を見せている写真を掲載している。
ロイター(米)
ポンペオ米国務長官「韓国の決定に失望した。日韓両国に対し引き続き連携を求める」と語った。
また、専門家は「これは米国第一主義がもたらした結果だ。あらゆる国が他国との連携網よりも自国を優先させている」。「北朝鮮が保有する核・弾道ミサイルが急速に拡大しているこのタイミングでのGSOMIAの破棄は、直接的に米国の安全保障を損なう」もので、中国の発言力や国力の高まりが前例のない大きな課題となる中、米国主導の同盟体制の崩壊は「大惨事」であると指摘しています。
核やミサイルの開発を続ける北朝鮮への抑止力の低下にもつながり日韓関係は決定的な対立状態に陥ったとも語っています。
韓国のネットの反応
日本は7基の先端偵察衛星を運用しており、この暗号化情報を収集している。
北朝鮮の弾道ミサイル発射などの重要な情報を放棄したことになる。
出典:Twitter
中国のネットの反応
出典:微博(中国版ツイッター)
韓国内では、意見が分かれています。
誇りを取り戻したと称賛する一方、破棄を非常に憂慮しているメディアやコメントもあります。
中国は、傍観者または、今回の決定が中国にとってメリットになるのではとほくそ笑んでいる向きもあります。
まとめ
GSOMIA破棄の日本と韓国への影響を分かりやすく解説し、これへの海外の反応をまとめました。
韓国は、どこへ向かおうとしているのでしょうか?
文在寅大統領が自らの理念と支持率だけをみて、このまま突き進むと、日韓米にとって不幸な結果になることが非常に心配されます。
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