プロボクシング・バンタム級最強を決めるWBSSの準決勝がいよいよ18日に迫りました。WBA王者井上尚弥選手が英国に遠征し、IBF王者ロドリゲス選手と「全勝対決」の統一戦に臨みます。
井上尚弥選手が準決勝、決勝と勝ち進むことが期待されますが、ファンの間ではWBSS後は井上選手がスーパーバンタム級へ階級を上げ「4階級制覇を狙うのでは」との声も聞かれます。
そのスーパーバンタム級には現在、強敵はいるのでしょうか?現王者の顔ぶれなどを探りました。
井上尚弥がスーパーバンタム級にあげる可能性は?
26歳の井上尚弥選手は、中学・高校とアマチュアで輝かしい戦績を残した後、2012年に大橋ボクシングジムに入門しプロ転向しました。
最初は体重約49kgのライトフライ級でキャリアをスタート。わずか3か月でOPBF東洋太平洋10位にランクする実力を見せました。そしてこれまで17戦を戦う中で、無敗のままライトフライ、スーパーフライ、バンタム級と階級を上げながらそれぞれ王座を獲得してきました。
ただ井上選手の通常体重は60kg弱ともいわれ、プロ入りに際してのライセンステストはスーパーバンタム級(55.34kg)で受験。軽い階級時代は減量苦に悩んだほか、持ち味のパンチ力も十分発揮できなかったとされます。
ジムの大橋会長も「井上尚弥の適正階級はスーパーバンタム級あたり」と指摘。常に「強敵との試合」を望んでいる井上選手だけに、バンタム級の王座を統一した後には、さらに4階級目に上げる可能性もあるとみられます。
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— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) May 6, 2019
スーパーバンタム級に強敵はいる?
では現在、スーパーバンタム級には、井上尚弥選手の強敵となりそうな王者はいるのでしょうか。
5月現在では、同級のWBAスーパー王座とIBF王座の二団体統一王者がダニエル・ローマン選手(米)。
WBC王者はレイ・バルガス選手、WBOはエマヌエル・ナバレッテ選手のメキシコ勢。またWBCの暫定王者は亀田三兄弟の末弟、和毅選手です。
28歳のローマン選手は戦績27勝2敗1分ですが、うちKO勝ちは10回とややKO率が低く、プロ転向間もない11年には日本の岡田隆志選手に判定負けしています。
4月にドヘニー選手を12回判定で下して防衛を果たし、試合後には「バルガス選手との統一戦を希望する」と話していました。
そのバルガス選手の戦績は「33戦全勝無敗」と圧倒的ですが、KO勝ちは22回とやや少なく、やはりKO率9割近い井上選手には劣ります。またナバレッテ選手は26勝(22KO)1敗となっています。
スーパーバンタム級に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
WBSSを優勝すると井上尚弥選手は三団体統一王者となりますが、残るWBCでは、暫定王者である弟・拓真選手が、近く正規王者との統一戦に臨むとみられています。
仮に拓真選手が王者となると、まさか「兄弟統一戦」はあり得ませんので、ファンの間では兄・尚弥選手が上の階級に移るとの見方が強いようです。
スーパーバンタム級では、WBC暫定王者の亀田和毅選手が7月に正規王者バルガス選手と統一戦を行う予定。他に団体統一戦の動きも出ており、今後の情勢によっては近い将来、同級で「井上vs亀田和」や「井上vs統一王者」といったファン注目のマッチメイクが期待できるかもしれません。
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