プロボクシングのIBF世界ウェルター級タイトルマッチが日本時間17日、米テキサス州で開催されます。王者エロール・スペンスJr選手に、WBC世界ライト級王者マイキー・ガルシア選手が何といきなり2階級上げて挑戦します。
ウェルター級は実力、知名度、スター性を兼ね備えた王者たちが揃う「最強クラス」の一つ。中でもスペンス選手は、全階級の仮想ランクであるリング誌の「パウンド・フォー・パウンド(P4P)」で10位の実力者です。
一方のガルシア選手も7位で、この一戦は普通なら実現しないはずの「リアルP4P対決」。プロで一度も負けていない全勝同士でもあり、ファンの間では「今年最注目の試合」とも呼ばれます。その王者スペンス選手の戦績や強さとは?動画とともにまとめました。

スペンス(ボクシング)の動画と戦績!
スペンスJr選手は米ニューヨーク州生まれの29歳。スタイルはサウスポーです。アマボクシング出身で、12年ロンドン五輪に出場しベスト8入りしたほか、09年と11年には世界選手権にも出場するなど輝かしいアマ戦績を誇ります。
五輪後プロ転向して以降も怒濤の強さ。デビュー戦を3回KO勝ちで飾ると、実績も実力もある選手たちを次々と撃破。そして17年5月、敵地英国で王者ブルック選手(英)を11回KOで下しIBFウェルター級王座を獲得しました。
初防衛戦では元2階級制覇王者のピーターソン選手(米)を7回棄権に追い込むなど、現在11連続KO中という強さを続けています。プロ戦績は24戦全勝(21KO)無敗。実に88%のKO率を誇ります。過去の試合動画でも強さの一端がうかがえます。
スペンスの強さとは
圧倒的戦績を誇るスペンス選手は、「ザ・トゥルース(本物)」というニックネームからもその強さが伝わります。身長177cm、リーチ183cmと体格に恵まれ、スピードとパワー、攻防両面のテクニックなど高レベルでバランスのとれた戦力が持ち味とされます。
プロのボクシングキャリアを始めたころには、あの「金の亡者」メイウェザー選手のスパーリング・パートナーを務めたことも。メイウェザー選手が「彼こそが私の後継者だ」と太鼓判を押すほどの才能です。
挑戦者のガルシア選手も3階級で無敗という凄まじい戦績ですが、他階級の王者ら多くの関係者は、今回の一戦は「スペンスに分がある」と見る向きが多いようです。
その最大の理由は体格の違い。ウェルター級より9.5kg軽いフェザー級から上がってきたガルシア選手は身長168cm、リーチ173cmで、かなりスペンス選手よりも劣ります。横に並んだ記者会見動画を見ても体格差は余りに大きいといえます。
ボクシングメディアも「単に体重の問題ではなく、アマ時代からウェルター級で戦ってきたスペンスとそうでないガルシアとでは、体のフレームという点で大きな違いがある」と指摘。
いくら経験やスキルに優れたガルシア選手とはいえ、ハイパワーの中量級ではその差は容易には埋めきれないのではないか、との予想が大勢。海外ブックメーカーのオッズでもかなり「スペンス有利」となっています。
https://www.instagram.com/p/Bt4UR8GgyzO/
スペンスのネットの評価










出典:twitter
まとめ
ライト級といえばP4P1位の「世界最強」ロマチェンコ選手が君臨。ガルシア選手との統一戦が期待されましたが、ガルシア選手はライト級王者のままで階級を上げました。
最近のスペンス選手は攻撃的に強打を相手に叩きつけるシーンが目立ちますが、それを踏まえて経験豊富なガルシア選手は「彼が私の長所をすべて引き出してくれるだろう」と不気味な自信をみせています。
判定など長丁場な展開になれば、短い試合の多いスペンス選手に隙が生まれないとも限りません。果たして下馬評を覆し、ガルシア選手が「番狂わせ」を起こせるでしょうか。

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