2019シーズンの開幕を迎えたプロ野球。14年を最後にポストシーズン進出がなく、今季こそはと浮上を期すオリックスに、期待の豪腕若手投手が台頭してきました。山本由伸投手です。
開幕ローテーションの一角として登板した先日の対ソフトバンク戦では、あわやノーヒットノーランの圧巻投球。球界の評価もうなぎ登りです。
動画でみると山本由伸投手はやり投げのような独特な投球フォーム。なぜこのスタイルになったのでしょうか。山本投手の凄さや球種などとともにまとめました。
山本由伸のやり投げのような投球フォームはなぜ?
山本由伸投手は岡山県生まれの弱冠20歳の右腕。都城高校(宮崎)では当初三塁手でしたが、本格的に投手に転向。いきなり151km/hの球速を計測するなど才能を発揮します。
甲子園出場はできませんでしたが、16年ドラフト4巡目でオリックス入り。1年目の8月に早くも1軍デビューを果たし、150km/h超を出すなど好投します。球団23年ぶりに高卒新人として初勝利も挙げました。
2年目の18年はセットアッパーとして起用。54試合登板で4勝2敗1セーブ32ホールド、防御率2.89という見事な成績を残します。NPBで10代投手が30ホールドを挙げたのは初めて。この年山本由伸投手はオールスターにも選ばれました。
球界を代表するスターへの成長が期待される逸材・山本由伸投手。投球フォームを見ると陸上の「やり投げ」のように腕を伸ばしたまま球を投げる特徴的スタイルです。
なぜこの投球フォームになったのか。本人によると、2年目のオフに投球フォーム改造に取り組み、投球時にグラブを持った左腕を真っすぐ伸ばし、その状態のまま体重移動を行うこの「やり投げ」スタイルに行き着いたそうです。
山本投手は1年目の自分に満足できず「自主トレの間色々考えてこの形に。今までの自分を上回るための変化であり進化です」とフォームを研究したといいます。結果は上々で、球速も150km台半ばまで伸び、強い球と鋭い変化球を安定して投げられるようになったようです。
山本由伸の球種は?
「やり投げ式投球フォーム」の豪腕ホープ、山本由伸投手。今季は志願して先発に復帰し、いきなりホーム開幕2戦目で先発登板しました。
その試合はまさに圧巻の一言。12球団屈指の強力ソフトバンク打線を9回1安打無失点と完璧に抑え込みました。
初回から150km超の剛速球をしっかりコーナーに制球。テンポもよく、並み居る強打者のバットの芯を今季から本格的に取り入れたシュート系の速球で外し、遅いカーブやフォークなどの多彩な変化球もちりばめ、最後まで的を絞らせませんでした。
山本投手は下半身の使い方にも定評があり、コントロールが安定。球種も多彩で、スライダー・フォーク・カーブ・チェンジアップ・ツーシーム・カットボールのほか、前述のように今季からはベース上から離れていくシュート系の球も会得しています。
山本由伸のネットの反応
出典:twitter
まとめ
山本由投手の才能には多くの専門家が着目。侍ジャパンの稲葉監督もその一人で、早速3月の対メキシコ強化試合で山本投手を初招集したところ、2回を無失点に抑える好投で応えていました。
ソフトバンク戦ではあとわずかでノーヒットノーランに届かず、勝敗も付きませんでしたが、球速は最後まで衰えずスタミナも十分。今後、オリックス投手陣の柱になるのはもちろん、日本球界を代表する投手への成長が期待されます。
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