プロボクシング・WBCヘビー級王者、ワイルダー選手vsオルティス選手のタイトル戦が、現地時間の11月23日、米ラスベガスで行われます。
この試合、18年に激闘の末ワイルダー選手が防衛を果たした試合の〝因縁〟の再戦。「再戦」は現在のヘビー級共通のキーワードで、この数か月に続々と大物スター選手の注目の再戦が行われます。
ファン必見の「ワイルダーvsオルティス2」や「ワイルダー次試合」の予想など、がぜん盛り上がるヘビー級戦線の現状をまとめました。
ワイルダーvsオルティスの再戦予想
デオンテイ・ワイルダー選手は米アラバマ州出身の33歳。かつてはヘビー級を席巻していた米国人の久しぶりの王者で、戦績は42戦41勝(40KO)1分と圧倒的。ヘビー王国・アメリカ復権の星と期待されています。
一方のルイス・オルティス選手は「リアル・キングコング」の異名を持つ、キューバ出身の40歳。31歳と遅咲きデビューでしたが、こちらも戦績31勝(26KO)1敗と相当な実力者です。
キャリア唯一の敗戦が、18年3月のワイルダー戦。このタイトルマッチは壮絶でした。ワイルダー選手は7回終盤、オルティス選手のパンチを浴びダウン寸前でゴングに救われます。
敗色濃厚と思われましたが、10回に連打でダウンを奪い、起き上がったオルティス選手を最後は右アッパーで倒してレフェリーストップ。辛くも防衛に成功しました。
その後「微妙な試合はきっちり決着させねば」(ワイルダー選手)と再戦を承諾。オルティス選手も「彼には真の王者のハートがある」とその決断をたたえました。
さて次試合である11月の再戦の予想ですが、ファンの間では「今度もやはりワイルダーのKO勝ち」との見方が多い様子。「William hill」のオッズでも「ワイルダー勝利1.17倍、オルティス勝利4.5倍」となっています。
詳しいファンなどの間では、テクニックではオルティス選手が上回るものの、その年齢もあってダメージが蓄積。試合中盤にも激烈なワイルダー選手のワンツーが炸裂し、ダウンを奪いTKOになるのでは、との声が聞かれます。
November 23rd. #WilderOrtizII #PBConFOX pic.twitter.com/5SNd9je2vG
— Deontay Wilder (@BronzeBomber) September 28, 2019
ワイルダー勝てば次試合は再びフューリーか
仮に大方の予想通りワイルダー選手がオルティス選手を下すと、次試合はどうなるのでしょうか。メディアなどでは来年2月にも、元ヘビー級3団体王者タイソン・フューリー選手(英)との再戦実施が濃厚だといわれています。
というのも「ワイルダーvsフューリー」も過去に因縁の試合があったためです。18年12月、両者による「無敗王者対決」が実現。挑戦者であるフューリー選手がジャブを軸に主導権を握る展開の中、後半ワイルダー選手の強打が炸裂。9回、そして12回にも相手からダウンを奪います。
しかしその都度フューリー選手が蘇りそのままゴング。判定は三者三様の引き分けとなり、また辛くも王者が防衛しました。試合後ワイルダー選手は「なるべく早くフューリーにチャンスを」と再戦を口にしました。
2m超の体格、高い技術とスタミナはヘビー級屈指のフューリー選手は、現在無冠ながらリング誌ヘビー級ランクでは1位。予想オッズでも僅差ながらワイルダー選手を上回っており、ワイルダー選手の「無敗街道」には大きな壁となりそうです。
.@BraunStrowman SMASH!@Tyson_Fury...snap?
The two behemoths come face-to-face on Monday Night #RAW for a contract signing to make their bout at #CrownJewel OFFICIAL! pic.twitter.com/rDwIIaM24L
— WWE UK (@WWEUK) October 15, 2019
ワイルダーvsオルティス再戦のネットの反応
出典:twitter
まとめ
ヘビー級では、今年アンディ・ルイス選手に負ける世紀の番狂わせで王座陥落したばかりのジョシュア選手も、12月に再戦予定。さすがに次は勝利し王座を奪還するのではないかとみられています。
こうしてヘビー級王者たちが三つ巴で戦う間に、一つ下のクルーザー級「無敵王者」ウシク選手がヘビー級に参戦。「ルイスvsジョシュア」の勝者との対戦を要望しています。
ウシク選手はスピードや技術で他を圧倒するスターだけに、来年のヘビー級戦線がさらに混沌とするのは必至。ファンが長年熱望する「ジョシュアvsワイルダー」の頂上決戦は実現するのか。はたまたウシク選手が一気に「ヘビー級天下を統一」してしまうのか。見逃せない戦いが続きそうです。